第1回 平成15(2003)年4月30日公開
市民の皆様、こんにちは。
市民の皆様の信任をいただいて、本日、三鷹市長に就任いたしました。
三鷹市は、全国でもまれな長い市民参加の歴史を持ち、困難な状況の中で市民との協働を掲げて「変革の時代」の先頭を走ってきたまちです。私はこれから、この参加と協働の市政を発展的に継承し、新しい21世紀の三鷹市を市民のみなさんとともに創り上げていきたいと考えています。
そのため、市民の皆様のご意見を聞き、参加を得るための努力を惜しまない「まちづくりのコーディネーター」として努力させていただきます。そして、新しい課題や方針を市民の皆さんにご提示し、果断に決断し、前進するリーダーとして皆様のご信頼を得るよう、全力を尽くしてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
第2回 平成15(2003)年5月4日公開
協働! 感動! 躍動! いきいきと輝くまち・三鷹の実現
市民の皆様の信任をいただいて、4月30日に、三鷹市長に就任いたしました。
三鷹市は、全国でもまれな長い市民参加の歴史を持ち、困難な状況の中で市民との協働を掲げて「変革の時代」の先頭を走ってきたまちです。私はこれから、この参加と協働の市政を発展的に継承し、21世紀の三鷹市を、市民の皆様とともに創り上げていきたいと考えております。
市民の皆様との「協働」の中から、必ず「感動」が生まれることを、私は、これまでの経験から知っています。その「協働」による「感動」が、必ずや三鷹の市民やまちのさらなる「躍動」につながると、信じています。
その実現のために、私は、市民の皆様の意見に耳を傾け、市民と行政とのコミュニケーションと協働の機会を創るための努力をさせていただきます。そして、同時に、自らも新しい課題や方針を提示し、果断に決断し、前進するリーダーとして、皆様のご信頼を得るよう、全力を尽くしてまいります。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
第3回 平成15(2003)年5月18日公開
若葉の季節を迎えて
新入生を迎えた校庭の桜の木はいつしか新緑をまとい、ついこの間まで天に向かって花を咲かせていた花水木も、今はすっかり若葉に包まれています。こうして、5月の訪れは、三鷹のここかしこに、緑の息吹と自然の生命力を感じさせてくれています。
私は4月末に市長に就任してすぐに5月を迎えましたが、お蔭様で元気に日々の仕事をさせていただいています。
現在進めている重要な仕事の一つは、補正予算案の作成です。今年度の予算としては、3月に骨格予算が成立していますが、6月の議会で補正予算を確定する必要があります。現行の基本計画の実現を果たし、市民の皆様へのサービスの更なる向上に向けて、懸案事項の検討を含めて、鋭意予算案を吟味しています。6月には、新しく選出された議会の皆様に審議していただきます。
若葉の季節の息吹は、新人市長の私に力を与えてくれるような気持ちがします。皆様のご意見に謙虚に耳を傾けながら、継承から発展に向けて、着実に一歩ずつ前進していきたいと思います。
第4回 平成15(2003)年6月1日公開
自転車での市内視察を体験して
5月13日の午後、薫る五月の風をきって、助役をはじめとする幹部職員と一緒に、自転車で市内視察に出かけました。目的地は、新規施策の該当地域や、市内施設数カ所です。計画書や設計図といった紙ベースの検討だけでなく、現地を今一度自分たちの目で見、足で歩いて、実地に、具体的に事業の再検証をしたいとの「銀輪探検隊」の取り組みでした。
ふだん何気なくみているまちも、「自転車の視点」や「歩行者の視点」から見直すと改めて新鮮に見えてくるものがあります。市民の交通や移動の観点から、道路のバリアフリーの意義、歩道設置の意義、緑被率確保の必要性、駅前駐輪場の確保の意義などを再確認しました。
また、東京都に譲渡をお願いしている旧「労政会館」は、都の職員にも立ち会っていただき見学できました。財政が厳しい現状で、新規に公共施設を建設することは困難ですので、既存の都立施設を衣替えして、高齢者の雇用相談や市民活動の支援のための施設として活用できないか検討しています。子育て支援施設や駅前市政窓口も訪ねましたが、直接に利用されている市民の皆様とお話することができ、とても有意義でした。
玉川上水脇の「風の散歩道」、「山本有三記念館」、「三鷹市立アニメーション美術館」を散策する人々、学童保育所で放課後元気に遊ぶ子どもらとの出会いなど、人が触れ合うまちづくりの大切さを噛みしめることができた一日でした。
第5回 平成15(2003)年6月15日公開
親子ふれあい、ちびっこ農業体験に参加して
梅の実がなり、雨のしずくが木々の緑やアジサイの花びらに美しくきらめく季節です。
そんな6月8日の朝、私は大沢の「ほたるの里・三鷹村」が主催した「親子ふれあい、ちびっこ農業体験」に参加しました。大沢に残る水田で、220人の親子の皆さんとご一緒に、本当に久しぶりに田植えを経験させていただきました。それは父のふるさとで田植えの経験をした4、5歳のとき以来のことでした。
参加されたちびっこたちと一列に並んで、指導員の皆さんに導かれ、張られたひもを目安にまっすぐに苗を植えます。水田の土の感触を感じながら、慣れない指先で苗を持つと、苗の緑がまぶしく光ります。長靴で参加した私は、水田に足を取られて上手にバランスを取ることができず、早々にあぜ道に上がらせていただきましたが、素足で田植えに挑むちびっこの笑顔と歓声がはずむ半日でした。
田植えの後、青空の下で、昨年収穫されたお米で作ったお赤飯、手作りのお漬物やトン汁を皆さんとござの上で食べるおいしさは絶妙でした。
ほんのつかの間の田植え経験でしたが、農業体験の感動を得ることができました。私にとっての「水田のある三鷹の原風景」を大沢の地で再確認しました。
三鷹市は「緑と水の公園都市」の実現をめざしていますが、こうした「農のあるまちづくり」の基礎となる「親子ふれあい、ちびっこ農業体験」といった事業に参加する中で、三鷹がもつ「宝」をまたひとつ発見したような気がします。
第6回 平成15(2003)年7月6日公開
初の定例議会を終えて
地方自治体は、議会の議員も市長も選挙で選出されるという「二元的代表民主制」を基礎としています。私は市民の皆様に信任していただいた市長として、市民の視点にたった自治の取り組みを、同じく選挙で選ばれた議員の皆様とともに車の両輪として進めています。
6月9日から30日まで、平成15年第2回市議会定例会が開催されました。私にとりましては初の定例議会で、冒頭2日間の「市政に関する一般質問」では19名の議員から、さらに「予算に関する代表質疑」では4会派の代表にご質問をいただき答弁させていただきました。補正予算特別委員会は2日間開催され、熱心で慎重な審査をしていただきました。お蔭様で、市長として提案させていただいた議案は、一般会計補正予算のほか、助役と収入役の人事案件など、すべてが可決されました。これは、議会の皆様と市長とが相互の信頼を得て審議することができたゆえの結果であり、大変ありがたいことと感謝しています。 新人市長として初の定例会に大変緊張して臨みましたが、丁々発止の議論もあり、とても収穫の多い展開だと感じました。また、傍聴の方も多く、市民の皆様の議会への関心と期待の高まりをひしひしと感じました。 7月から新しい人事体制での出発となりました。私は心を引き締めて議会で承認されました今年度予算の着実な実行に向けて全力で取り組みます。皆様の一層の市政へのご関心・ご協力をお願いいたします。
第7回 平成15(2003)年7月20日公開
三鷹産業プラザのグランドオープンによせて
幼い頃から商店街で暮らしていた私は、毎朝、お店のシャッターが開く音、それに「いらっしゃいませ」、「ありがとうございます」の声の中で育ちました。お店の活気が、私には、まちの元気、安心、安全の源であるように思えます。
7月5日に、三鷹産業プラザの2期棟の完成を祝うグランドオープンの式典がありました。中央線沿線では初の出店となる一流ホテルの中華料理店をはじめ、インテリアショップや輸入雑貨店等々がそろったこのビルは、新しい三鷹の商業の核となるに違いありません。三鷹商工会、市内の各商店街、株式会社まちづくり三鷹、そして三鷹市が一丸となってその完成を祝したイベントを開催しました。駅前の辻々では、若者の音楽やパフォーマンスも見られ、買い物客も足を止めて楽しんでいました。また、先の中華料理店では、三鷹産の野菜を料理の素材に使いたいと、地元の農家の協力を求めているそうです。ひとつの試みがさまざまなひろがりと可能性の輪を創っています。
活力のある「元気印のまち・三鷹」は、市民の皆さんのそんな創意工夫のイベントや商店街の皆さんの努力によって実現しつつあります。三鷹市は、それを全面的に応援いたします。現在、市民会議や商工振興対策審議会にご検討いただいて「三鷹市産業振興計画」の改定に取り組んでいますが、グランドオープンを契機に、私はあらためて、農業、商業、工業、そして情報産業等の新産業がバランスをもって発展するまちを目指す決意をいたしました。
第8回 平成15(2003)年8月3日公開
スポーツを生涯の友に
久しぶりに握った左手の黒いグローブが、真っ白なボールをしっかりと受け止めています。時は7月28日早朝、場所は旧日産厚生園野球場、三鷹防犯協会主催の「第55回少年野球大会」での経験です。その感触は、小学生の頃、男子に混じって遊んだ三角ベースの記憶を呼び覚まします。少年野球とはいえマウンドから見るホームはかなり遠く、思わず3歩ぐらい前に出て、審判の「プレーボール」の声を聞くと同時に、緊張してキャッチャーめがけて投げると、案の定判定されるなら「ボール」の球で、始球式の責任を果たしました。その日は各防犯地区を代表する18チームの熱戦が繰り広げられ、「友和会タイガースA」が昨年に続き優勝の市長杯を獲得しました。久しぶりに少しだけ「いい汗」をかきました。
27日には、多摩地域の29市町村の約3千700名の選手が参加した「第37回東京都市町村総合体育大会」が開かれました。今回は三鷹市が幹事市に当たり、体育協会の皆様のご活躍のもと開会式・閉会式は三鷹市内で開かれました。男子12種目、女子7種目の競技が展開され、三鷹市は29市町村中総合第7位、男子第6位に入賞し、女子は第9位と健闘しました。
「健全な精神は健全な身体に宿る」と言われますが、公務を理由にスポーツの時間をあまり持たずにいる私には、「スポーツを生涯の友に」を実現する市民の皆さんの多様な活動が、私に心身の「元気」のみでなく、「勇気」も下さっていると思います。
第9回 平成15(2003)年8月17日公開
語り合うことの大切さ
市長になってからようやく3カ月半が過ぎました。この間、私は市政の責任を担う立場として、市民の皆さんとのコミュニケーション、議会や職員とのコミュニケーションの大切さを深く実感する毎日を重ねてきました。
審議会、委員会や市民会議には可能な限り出席し、これまで3回の会議に皆勤することができた都市計画審議会などでは、直接、委員の方々とやりとりさせていただく機会を得ています。
また、市内の各所で開かれる会議や盆踊りなどの地域の行事にも参加して、市民の皆さんのさまざまな体験や意見を伺うことも頻繁です。
そこで、さらに広く市民の皆さん各層と、できるだけじっくり語り合うことを実現するために、「市長と語り合う会(タウンミーティング)」の試行を8月以降行うことにしました。そこでは私がコーディネーターをさせていただきながら、15人程度の小人数の市民と共に、じっくり共通の課題について語り合うことを通して、市民の皆さん同士も相互理解と新しい発見をしていただければと願っています。
数回の試行を経て「語り合う会」を重ねながら、少数の声にも耳を傾け、市政に市民の視点の反映を強めていきたいと思います。
第10回 平成15(2003)年9月7日公開
敬老の日を迎えて
差し出された手の甲に年輪が刻まれています。握る手のひらの力は、思いがけないほどに強く、歓迎の気持ちがずっしりと伝わって、感激が心にしみ渡ります。
私は市長就任以来この4カ月、毎月、88歳(米寿)、99歳(白寿)および100歳以上の誕生日を迎えられた方に、長寿をお祝いして敬老金をお届けしてきました。こうした「手」との出会いは、訪問の際にたびたび経験していることです。これまでに78人、毎月約20人の方のご自宅や入所施設をお訪ねしています。
訪問の折にはご長寿の方に直接お目にかかってお祝いを申し上げるとともに、経験談や近況を伺ったり、ご家族のお話を伺い、場合によっては同行する高齢者支援室職員とともに、必要な支援について情報提供したりご相談にのらせていただいたりしています。
私にとって高齢者の皆様に直接お目にかかり、生活実態やお悩みの一端をうかがうことは、人生の深みを知るとともに、市政のあり方を改めて考え直す機会ともなっています。
その語らいは、たとえ短い時間であっても、その人生の重みを実感でき、私の元気の源泉のひとつとなっています。ですから、毎月ご長寿の方とお目にかかるのが楽しみですし、私は皆様が心から「老い」を誇りとされ、相互に敬意を持てるようなまちづくりを心がけたいと思います。
第11回 平成15(2003)年9月21日公開
市民と共に「安全・安心のまちづくり」を
私は9月の自分の誕生日を迎えるたびに、毎年改めて「生命のありがたさ」と、元気に生かされていることの「幸い」を感謝します。市政の大切な使命の一つは、市民の生命と財産を守ることですから、9月は「防災の日」を迎えて、防災訓練にも、特に力が入りました。全体会場では各住区の防災組織や消防・警察、医師会など各団体と共に、災害時の緊急活動の訓練を行いましたが、ボランティアの皆さんの熱心さを肌で感じて、とても心強く思いました。
また、9月の定例市議会の一般質問では、多くの議員から防災や防犯に関する質問をいただき、議員の皆さんを通じても、三鷹の安全と安心に関する市民の皆様の関心の高まりを感じました。
さらに、13日の「市長と語り合う会」では、66歳~84歳の13人のご長寿の方と語り合い、それこそ「宝物」のような意見をたくさんいただきましたが、その中にもまちの安全・安心に関連した問題が多数提起されました。たとえば、高齢者が健康維持のために仲間を募って語り合いながら歩くことで、地域の人通りが増え、防犯の目を行き届かせ、ほかの高齢者や障害者の「見守り」の役割を果たすことができるのではないかというご提案もありました。
三鷹市にはすでに自主防災組織、ごみ減量等推進員、ほのぼのネットなど、地域でのさまざまな取り組みがありますが、今後「安全・安心」の観点からこうした活動の意義を再確認したいと思っているところです。
第12回 平成15(2003)年10月5日公開
地域の国際交流の重み
秋の青空がみごとに広がる9月28日、井の頭公園西園には14回目を数える「三鷹国際交流フェスティバル」をめざして3万7千500人の人々が集まりました。カラフルなテントの下には、約100組の国際交流に関する組織・団体のお店が並んで壮観です。中央ステージでは民族舞踊などが繰り広げられ、アジア、アフリカを初め世界の国々や地域の食、衣服、日用品などに表れるくらしの文化、音楽や芸術、そしてその歴史についての理解が深まります。
このフェスティバルは、(財)三鷹国際交流協会の主催、三鷹青年会議所の共催で開かれていますが、今年は例年以上に参加者が多く、地域の国際交流の広がりと重みに、触れ合いの感動を得ました。
インターネットの普及で、地球は小さく、世界は狭くなったと感じるこの頃ですが、私は、直接的な出会いこそが、真の国際理解につながると信じています。地域での異文化間交流を通して、文化や価値観の多様性を知り、平和の基礎である相互理解や信頼が築かれると思います。
さて、9月19日には、第3期の「みたか国際化円卓会議」が発足しました。これは、外国籍市民と外国人相談や国際交流に関わる市民の皆さんに、三鷹の国際化に関する諸問題とその解決方策について提言をいただくために設置しているものです。
三鷹という地域から、地域の生活に根ざした、「民際交流」と呼ぶべき国際交流・国際化の取り組みが重ねられていることに感謝し、これからも大切にしていきたいと考えています。
第13回 平成15(2003)年10月19日公開
地域の歴史と宝を伝えるために
私は、先月NHK会長の海老沢勝二さんとおめにかかりました。それは、来年の大河ドラマに予定されている近藤勇と三鷹との関係についてご説明するとともに、今後の連携協力についてお話しするためです。
私は近藤勇と三鷹に関する資料を持参しご説明しました。そして、大河ドラマを契機に児童を含む市民が改めて地域の歴史や宝を再確認する環境を整備していくことが大切と申し上げました。会長は、大河ドラマは面白い番組づくりとして取り組んでいるだけでなく、優れた教育番組としての役割を果たすことも重視していると同感してくださいました。
来年の放送時には、近藤勇ゆかりの龍源寺や天然理心流をはじめ三鷹市に関する情報についても紹介する準備を始めているとのご連絡をいただきました。
ところで、その日、海老沢会長とお目にかかったのは、私がパネリストとして参加した「地上放送のデジタル化」に関するシンポジウムの場でした。12月から東京、名古屋、大阪三大都市圏で始まるデジタル化は画質・音質の高度化、データ放送の充実といった特徴をもたらし、ドラマのあり方を変える可能性があります。
こうした放送新時代を迎えて、三鷹からの更なる情報発信を、市民のみなさんと共に心がけたいと思います。
第14回 平成15(2003)年11月2日公開
まちに安心を取り戻す決意
10月24日夜、三鷹駅近くの商店街で強盗殺人事件が発生しました。突然の事件の衝撃は、三鷹のまちに不安をもたらしています。被害者は生前、市政にも協力をいただいている方で、お通夜の席で家族にお目にかかりました。あまりにむごい死に、私はただ、家族の手を握るだけで、慰めの言葉もありませんでした。ご子息の不慮の急逝に直面したご両親の毅然としたお姿に感銘を受けるとともに、遺影に対し私は全力で三鷹の安全・安心確保に取り組むことを誓い、迅速な犯人検挙を祈りました。そして、9月に庁内に指示していた「まちの安全安心パトロール体制強化の取り組み」を、前倒しで進めるよう指示しました。
事件の翌日早朝には、自宅の近所で火災があり、1軒が全焼し、負傷者が一人出ました。三鷹消防署の植木署長が鎮火後直ちに報告に来てくださり、私は現場を訪ね、被災者の家族とご近所をお見舞いしました。この火事には消防署隊と10の消防団が出動し、被害を最小限にくい止めました。
現在、三鷹市には、10の消防団分団があります。竹内消防団長はじめ3名の副団長のもとに、各団ごとに20名の分団員がいて、合計204名のボランティアの皆さんが、各自の職業を持ちながらも、三鷹消防署と連携・協力して、日夜、防火活動や消火活動をしてくださっています。
9月には、消防体制の強化のために第5分団に11年ぶりの最新鋭のポンプ車が配備されました。これからの活躍に期待したいと思います。
まちの安全安心確保のために、警察署、消防署、消防団等の皆さんとの連携を強め、庁内の取り組みを更に進める決意です。
第15回 平成15(2003)年11月16日公開
三つの里の秋祭り
三鷹市には各住民協議会から提案された「まちづくりプラン」から生まれた「三つの里づくり」があります。
大沢の里、牟礼の里、丸池の里では、今年の秋、それぞれの秋まつりがひらかれました。
10月19日には、「牟礼の里公園秋まつり」が開かれました。澄み切った秋空の下、芝生の上には家族連れや友人同士など、たくさんの市民が集まって、ビンゴゲームや昔遊びをしたり、模擬店で安くておいしいものを味わったり、思い思いの秋を満喫していました。
その翌週26日には、「丸池わくわくまつり」が開かれ、参加者はスタンプラリーや「どじょうつかみ」、バルーンアートを楽しんだり、三鷹産の「やきいも」を味わったりしました。
11月3日には「大沢の里秋まつり」が第七中学校の校庭で開かれました。第七中学校のブラスバンドの演奏がすばらしく、地元野菜の販売も好評ですし、ミニ消防自動車やミニSLがちびっ子たちに人気です。私も、初めてちびっ子と一緒にミニSLに乗せていただきました。童心に返って、わくわくして一周しました。
それぞれの秋まつりは、市民の皆さんによる実行委員会が企画運営をしてくださっています。三つの里で、それぞれの創意工夫で、参加者が楽しめるメニューが揃っています。「まつり」は市民の出会いと、触れ合いと、地域や隣人への感謝の気持ちを生み出す三鷹の力の源泉だと改めて思いました。
第16回 平成15(2003)年12月7日公開
人権尊重と自己実現
十一月二十二日、「三鷹市障害者地域自立生活支援センター」の開所式が開かれました。これは、障害のある人が住みなれた地域で自立した生活を営むことを支援する施設であり、車椅子を使用している障害当事者を含む会員によって構成されているNPO法人「障害者生活支援センターインみたか」に運営をお願いすることにいたしました。
当日、代表の宮城さんは、シックなスーツに身を包み、いつもより少し紅潮して、運営に向けての決意を力強く語ってくれました。私にとっては、初めてのネクタイ姿の南雲さんも、晴れやかな笑顔で参加者を迎えてくれました。
自立生活の内容が就労である人もいれば、家族とはなれてひとりで生活することである人もいます。まずは一人で外出できることが目標である人もいます。必要なのは、障害者の実情を聴き、それに合わせた助言や支援がなされることです。障害者として自立するために取り組んできた当事者や、その取り組みの近くにいた人が自立支援を担うことに意味があると思います。そして、障害者が支援の受け手ではなく担い手になる機会として、この事業が生かされる可能性を信じています。
折しも十二月九日は「障害者の日」、十二月十日は人権デーとされています。日本では十二月四日から十日が人権週間とされています。市民の皆さんがそれぞれの人権を尊重し合い、敬意を払い合って、それぞれの自己実現を目指すまち、そんな三鷹にしていきましょう。
第17回 平成15(2003)年12月21日公開
税金の大切さ
12月10日水曜日の午後、武蔵野納税貯蓄組合総連合会主催の「第37回中学生の税の作文」入選作品の表彰式が開かれ、私は三鷹市長賞を授与するために参加しました。中学生が作文を書くことを機会に、税の社会的意義や役割、しくみについて学んでいただくと共に、教室や家庭で納税の大切さについて話し合っていただくことはとても大事なことと思います。
三鷹市では、この12月16日まで、市税・国保税等収納向上対策に市民部管理職及び係長職40名が、夜間及び土曜日・日曜日の相談窓口の開設や、平日の時間延長をするなどによる集中的対応をしました。これは相談や納税機会の充実などによって納税条件を整備し、滞納者に対応するなど、市民の税負担の公平を確保するための取り組みです。
ところで、市長賞を受賞した中学生の作品は、身近な消費税について考えることから、税金が市民のくらしに使われていること、だからこそ税金を払うことが大切であることが述べられ、「税金を納めて、胸を張って歩けるような大人になりたいです」と結ばれていました。私は、中学生のこうした意思を重く受け止めると共に、市民の皆さんに「納税することに誇り」を感じていただけるような市政を進めなければいけないと改めて痛感しました。
みなさん、年末年始をどうぞ、思い出深くお過ごしください。
第18回 平成16(2004)年1月1日公開
輝くまち三鷹をめざして
明けましておめでとうございます。
おかげさまで市長として初めての新年を元気に迎えています。
三鷹市では、厳しい経済財政状況にあって、市民の視点に立った効率的で開かれた自治体経営を進めるために、昨年11月に基本方針を策定し、更なる行財政改革を開始しました。
また、市民の皆さんが地域活動や市政に幅広く関わることができますように、昨年12月に待望の市民協働センターをオープンさせることができました。協働のまちづくりへの取り組みがこのセンターをきっかけにして、一層充実するよう努めていきます。 市民が働き、学び、暮らす場として、三鷹のまちが、さまざまな願いや思いの出会いを大切にし、創造のための歩みを共にするような地域であり続けることを願っています。
市民の皆さんお一人おひとりにとって、健康で笑顔が輝く一年でありますことを祈心からお祈りいたします。
第19回 平成16(2004)年1月18日公開
成人の日のつどいからの出発
今年は1月12日が成人の日で、2千269人がこの日を迎えました。人生80年時代を迎え、成人になることの意味が改めて問い直されています。先行き不透明のこの社会にあって、新成人の皆さんは自分自身の「生き方」への問い直しを、今まさにしていることと思います。その意味で、成人の日はこれまでを振り返り、これからを考えるよい機会であり、大切な節目だと思います。
市長としては、ご縁があって三鷹市で成人されたみなさんが、住むまち三鷹の魅力や良さをあらためて知っていただき、市内のさまざまな活動に参加されることを願っています。
未だ世界は多くの戦争や飢餓を抱えています。世界と地域の平和や、真の意味での社会の発展を、新成人の皆さんが担い、21世紀の社会を自分の人生として切り拓くことを願っています。
一人ひとりの力は決して大きくはないように見えても、若い皆さんの個性、考える力、想像力は、きらきらと輝く珠玉です。掛け替えのないきらめきです。成人となることによって、その光が一層輝きを増すことを願っています。
つどいは新成人や青年団有志らによる実行委員会によって企画運営されました。式典、三鷹市PMSジャズオーケストラの演奏のあと、最後に新成人のピアノ伴奏で、私が指揮をさせていただき、公会堂一杯の新成人が「母なる大地を讃えよ」と『大地讃頌』の歌を大合唱しました。三鷹のまちで、地域と関わる新成人と、これから折々に会えることを信じています。
第20回 平成16(2004)年2月1日公開
「多摩はひとつなり」への感謝とごみの減量化・リサイクルの推進
生活をするということは、必ず何らかのごみを生み出します。ごみは焼却しても必ず「残さ」、「焼却灰」が残ります。ですから、最終処分は大きな課題です。
三鷹市を含む多摩地域の25市と1町は「三多摩広域処分組合」という一部事務組合を作り、武蔵野市長さんが管理者となって日の出町のご理解を得て、町内で二ツ塚最終処分場を運営しています。
1月26日、日の出町二ツ塚処分場内でエコセメント化施設建設工事の起工式典とレセプションが行われました。これは、焼却残さから重金属類等を取り除き、石灰等を加えて高熱で処理することにより、ダイオキシンを分解し、多目的に使用できるセメントを製造する施設で、自治体が設置するのは世界で初めてのことです。
来賓として出席された日の出町長青木國太郎さんは、祝辞の中で、20年前に谷戸沢処分場(すでに閉鎖)、5年前に二ツ塚処分場の開設に同意するに至った基礎には、日の出町の住民、議会の「多摩はひとつなり」というヒューマニティの精神があること、エコセメント施設の設置には「新しい循環型の環境先進都市をめざす」強い前向きの思いがあることを、熱く話されました。
昨夏、「多摩はひとつなり事業」で、日の出町住民の皆さんを三鷹の森ジブリ美術館と三鷹阿波踊りにご招待しました。これからの市からの感謝の気持ちを伴う交流を大切にしていきたいと思います。最終処分場はこのままでは約10年で満杯にになる予定です。エコセメント化はそれを延命させますが、私たちの日々のごみ減量化とリサイクルが不可欠です。皆さんのご協力をお願いします。
第21回 平成16(2004)年2月15日公開
情報をめぐる安全の確立と信頼の確保に向けて
三鷹市がお預りしている情報は、個人情報が多く、市民全体の共有財産として安全に管理すると共に、市民サービスのために適切な利用を図ることが不可欠です。
そのため、私は市長に就任した直後に、「住民基本台帳ネットワークにおける情報漏えい事故等取扱要領」を作成し、市民の個人情報に関わるネットワークで発生した脅威度に応じて、迅速かつ的確な対応ができるためのガイドラインを整備することを初めとして、情報セキュリティの確立に向けた対応を進めてきました。
そして1月26日、三鷹市では国際的な規格である「BS7799‐2:2002」と、国内の基準規格である「ISMS認証基準Ver.2」の二つの情報セキュリティマネジメントシステムの認証を、第三者機関の審査を経て同時取得しました。 今回の認証の対象範囲は、住民基本台帳、戸籍、印鑑、年金、各種証明書交付など、市民の皆さんの基本的な情報を取り扱う市民課、市政窓口、情報推進室の業務です。
この認証に先立ち、「三鷹市情報セキュリティ基本方針」を基礎に規程類を整備し、管理すべき情報の種別、内容、管理方法等を洗い出し、それぞれの脅威度と対策を自己点検し、さらに第三者評価を受け、取組の整備を行いました。
今回の認証は、都内の自治体では初めてとのことですが、市の情報セキュリティ対策が一定の水準以上にあること、それを継続的に維持・改善できる体制であることが認められたということです。
今後も、市民の皆さんから信頼される情報の取り扱いを、職員のモラル強化を含めて進めていきたいと思います。
第22回 平成16(2004)年3月7日公開
新年度の施政方針
昨年4月30日に三鷹市長に就任してから、はや10カ月が過ぎました。市長が替わるということは自治体にとって大きな出来事ですが、それにもかかわらず、これまで「着実な一歩」を踏み出すことができたのは、ひとえに市民の皆さんのご支援、議会の皆さんのご理解、そして職員の協力によるものです。心より感謝申し上げます。
さて、昨年はイラク戦争などの大きな事件が相次いで起こり、テロと復興の狭間で、21世紀こそ「平和の世紀」にという人々の願いは叶えられませんでした。国内でも、社会経済の状況は、長い景気の低迷からようやく一筋の光明が見え始めたとはいえ、未だ安定した景気回復の実感を多くの人々が感じ取るまでには至っていません。また、昨秋には市内での凶悪事件の発生もあり、市民生活には不安感が広がりました。昨年は、そのような意味で、国内外あらゆる面で、「安全に安心して暮らせること」の重要性と、「地域社会における連携や協力」の重要性について深く考えさせられた年と言えると思います。
平成16年度は、私が市長就任後、初の本格予算によって施策を行う年となりますが、私は、本市の基本構想が謳う「平和の希求、人権の尊重、自治の実現」という基本理念の大切さ、そしてその基本理念の基礎の上に、初めて「高環境・高福祉のまちづくり」が花開くということの意義をあらためて痛感しています。そこで、私は平成16年度予算を編成するにあたり、新しい世紀にふさわしい「未来志向の改革」を「3つの改革の柱」として示す一方、安心して自立して暮らせるための支援施策の充実を図るために、基本計画の4つの最重点プロジェクトに、「安全と安心のまちづくり」と「地域ケアの推進」を加えた「6つの重点課題」を中心に、施策の重点化を図ることといたしました。 まず前者の「3つの改革の柱」ですが、これは、具体的には、第3次基本計画の改定、「行財政改革アクションプラン2010」の策定、そして自治基本条例(仮称)の制定という、三鷹市が「未来志向の改革」を進めるために必要な3つの重要な施策の柱を指しています。
基本計画の改定や行財政改革では、時代を先取りする新しい課題や、現在目の前で新しく生起している課題に敏速に対応するために、自治体経営のビジョンの見直しを進めるとともに、それに伴う施策、事業、組織等の見直しを行います。特に財政フレームの修正を行う中で、限られた財源等のさらなる重点化を図るため、「選択と集中」を徹底いたします。また、自治基本条例(仮称)の制定では、何よりも地方分権、地域主権の時代にふさわしい三鷹市の「新しい自治のかたち」とその「仕組み」を提起したいと考えています。この相互に関連する「3つの改革の柱」については、今後、市民参加、学識参加、職員参加を積極的に行うとともに、議会の皆さんのご理解を十分に得ながら進めていきたいと考えています。
次に「6つの重点課題」ですが、これは、先に述べたように基本計画の4つの最重点プロジェクトである「バリアフリーのまちづくり」、「子ども・子育て支援」、「協働のまちづくり」、「ITの活用」に、新たに「安全と安心のまちづくり」と「地域ケアの推進」の2つを加え、平成16年度予算における「6つの重点課題」とするものです。基本計画に掲げられた最重点・重点プロジェクトは、いずれも重要なものばかりですが、この厳しい社会状況の中で、市民生活の安定を図るためには、「安全と安心」の施策の展開と、地域における自立した生活を支援する「地域ケア」の体制づくりに取り組むことは、最も優先されるべきものだと考えています。
そして、何よりも重要なのは、「6つの重点課題」は、どの課題も協働によって進められるということです。協働とは、市民、事業者、関係団体、行政など、立場の違う主体が、自治に関わる地域の目標を共有し、それぞれの役割分担を明確にし、相互協力をしながら、その実現のために共に汗をかき、さらには評価や改善も共に行っていくことだと私は考えています。この過程は、文字どおり「言うは易く、行うは難し」の道です。全てが、原則どおり、しかも同じ過程を経て進むものでもありません。その過程は、試行錯誤、悪戦苦闘の道であり、しばしば痛みや限界を共有することもあります。しかし、協働の過程の共有を通して、市民の皆さんが地域の主人公として、自己実現による真の意味での「心の豊かさ」を実感でき、「三鷹に住んで本当に良かった」と心から感じることができるのだと私は確信しています。
平成16年度も、謙虚に、誠実に皆さんのご意見に耳を傾け、「未来志向の改革」を一層進めることにより、地域の諸課題の解決を図るために、協働、感動、躍動が息づく「輝くまち三鷹」の創造に向けた「次なる一歩」への挑戦をしたいと考えます。
第23回 平成16(2004)年3月21日公開
サッカーに会えるまち三鷹
「世の中に絶えて桜のなかりせば、春の心はのどけからまし」と在原業平が歌ったように、平年より桜の開花が早いとの予報を聞くと、何やら心が騒ぐこの頃です。 サッカーファンにとっても、今シーズンの開幕を迎えて、きっと心が騒いでいることでしょう。
さて、3月7日日曜日の午後、三鷹駅南口中央通り商店街の中ほどにできたサッカーチーム・FC東京の公認ショップ「ティフォージ(イタリア語で熱狂的なファンの意味)」で、オープンを記念するセレモニーが開かれました。ユニホームや関連グッズなどがそろい、サッカーファンにとっては大変魅力的なお店です。味の素スタジアムをホームスタジアムとするFC東京は、地元自治体として調布市・府中市とともに三鷹市も株主になっています。三鷹市の子どもたちとの「わくわくサッカー」をはじめ、市内での行事に選手が参加することも多く、市民の皆さんとの交流が深まっています。
当日のテープカットには、高校卒業後プロになったばかりの超大物新人である梶山陽平選手と増嶋竜也選手が参加し、研修の一貫として販売員もされましたので、駆けつけたファンにとってはうれしい出会いとなったことでしょう。前途有望な新進気鋭の二人の選手に花束を贈呈し、店内で記念写真を撮ってもらうという、私個人としても幸せな機会を得ました。
試合のある日は、三鷹駅からスタジアムまでの直通バスが運行されています。スタジアムの中だけでなく、サッカーに会えるまち・三鷹をお楽しみください。