エントリー

地域ケアネットワークの合同事業で名和田・法政大学教授の講演を聴講しました

地域ケアネットワークの合同事業で名和田・法政大学教授の講演を聴講しました

三鷹市には7つのコミュニティ住区に、それぞれ【地域ケアネットワーク】の取組みが推進されています。
私が三鷹市長に就任したのは2015年度ですが、当時から急速に少子長寿化が進んでいたことから、行政による高齢者福祉、障がい者福祉、介護や子育て支援サービスだけでは、制度のはざまにある困難に直面した市民の皆様にはサービスが行き届かないことから、民生・児童委員をはじめとする市民や社会福祉協議会をはじめとする関係団体とが連携して、多層的な地域福祉のネットワークが必要と考えて、マニフェストに加えていました。

2003年のマニフェストの【実行に移す7つのポイント】の【1高齢者や障害者に安心を 安全で便利なバリアフリーの推進を】には、【(2)「地域ケア日本一」の実現】を、以下のような内容で記載しています。
『 2)「地域ケア日本一」の実現
  高齢者社会にあって今必要とされているのは、サービス利用者の視点に立った地域ケアの新たな手法です。介護サービスの充実とともに予防的な観点から健康な生活を維持する仕組みづくりを進めます。
保健・医療・福祉の関係者の皆さんとの連携を図るとともに、ボランティアやNPOの皆さんとの協力体制をつくり、 三鷹を在宅で生涯を全うできるまちにします。
●4年間の目標:在宅で生涯を全うできる「地域ケア」モデル事業の実施 』

このマニフェストの実現に向けて、まずは、市内で特に高齢化が顕著に進んでいる井の頭住区から、ネットワークづくりを開始していただきたいと、私は当時の住民協議会会長の新(しん)さんにご相談し、役員の皆様に趣旨を説明し、具体化について検討をしていただいたところ、早くも2004年10月に、【地域ケアネットワーク井の頭】を設立してくださいました。
今年で20周年となります。
その後、他の6つのコミュニティ住区でも順次設立されて、高齢者や障がい者、子育て家庭をはじめ、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、住民参加の支え合いの仕組み「地域ケアネットワーク(ケアネット)」の活動を進めています。まさに、ケアネットとは、支え合いの仕組みづくりをめざす諸団体・関係機関やボランティアと行政とのネットワークです。

市長として提案し、市民の皆様につくっていただいた仕組みの重要性を認識している私は、三鷹市長退任後の2019年6月から、地元の【地域ケアネットワーク新川中原(ケアネットしんなか)】の推進ボランティアとして参加させていただき、2023年6月からは副代表に選出されて、活動に参加しています。
そして、7つのケアネットは、毎年秋に合同研修会を開催していますが、今年も10月3日に開催されました。
私は、ケアネットしんなかの畑谷貴美子代表はじめメンバーの皆さんと参加しました。

春の代表者会議で研修テーマが検討されたとき、ケアネットしんなか副代表として参加していた私は、三鷹市で私が市長時代に町会・自治会活動振興のために創始した【がんばる地域応援プロジェクト】事業で助成金の選考委員を当初よりつとめていただいている地域コミュニティづくりの第1人者である法政大学教授の名和田是彦先生を講師として招くことを提案したのです。
実は、名和田先生とは、三鷹市長在任中から公益財団法人日本都市センターの理事をご一緒に務めています。
それとともに、全国市長会と都市センターの共催による地域コミュニティに関する調査研究会でもご一緒していましたので、信頼できる方であると推薦しました。
その提案が会議で承認されて、名和田先生を講師とする合同研修会が行われたのです。

名和田先生は、【地域ケアネットワークのめざすもの】について、次のような構成でお話をされました。
〇地域コミュニティの全国的状況
・地域のつながりの希薄化といわれる現象、・町会自治会の加入率低下・期待の存在、・住民は自治会に何を求めているか、・自治体行政は地域コミュニティに何を求めているか、・今後求められる活動には専門性が高いというハードルがある
〇三鷹市のコミュニティ政策の経過と特徴
〇三鷹市の地域ケアネットは何をすべきか
・ドイツの取組みを覗いて自らの特徴を知る、・見守り・声かけ・挨拶、・有償ボランティアと活動資金、・サロン活動と公共空間づくり
名和田先生は、特に、自治体や住民を対象にした調査では、地域コミュニティの機能として【防災】【地域福祉】のニーズが高いことから、ケアネットの取組みは、まさに、そのニーズにかなっていると評価されました。

その後、名和田先生の講演を受けて、くじ引きで8つの小グループに分かれて聴講したケアネットのメンバーが、グループワークをしました。
テーマは【地域ケアネットワークのめざすもの】です。
その内の4つのグループの報告を共有することになり、私がグループの話し合いについて次のように発表しました。
〇6名のメンバーによる自己紹介を通じて、ケアネットに参加している人が、町会・自治会、民生・児童委員、住民協議会役員、認知症家族の会、青少年対策委員会委員など、多様な活動経験者であることを再確認し、ケアネットが文字通り、住民の多様な地域活動のネットワークになっていることを再確認したこと。
〇ケアネットは今後、現状のサロンに小学生が参加したり、地域向け縁日や講演会に多世代の住民が参加する傾向があることを踏まえて、さらに【多世代交流】を深化させていきたいこと。
〇役員やメンバーに高齢化の傾向はあるけれども、元気高齢者は生涯現役として支え合いの輪に加わっていきたいこと、など。

この日の合同研修会で、名和田先生は長年にわたり横浜市での地域福祉計画策定の経験や、コミュニティ・カフェやプレイパーク活動の取組みに参加された経験を含めて、具体的に三鷹市の地域ケア活動への期待を話していただきました。
参加者もグループワークを通して、他のケアネットのメンバーと交流できて、合同研修会は大変に有意義であったと思います。

 

ユーティリティ

記事検索Entry Search

Search
キーワード

過去ログArchives

RSS Feed