【全国都道府県議長会】の【地方創生懇談会】の熱心な審議に参加しました
【全国都道府県議会議長会】の会長は富山県議会議長の山本徹議員です。
同会と【全国市議会議長会】【全国町村議会議長会】の三会は、地方議会が、地方公共団体の重要な意思を決定しているということが『地方自治法』に明文化されるよう要請行動を重ねてきて、2023年4月に「地方議会の役割等の明確化などを内容とする「改正地方自治法」が成立しました。そして、三会は、学校現場で行われる【主権者教育】の教材に地方自治法改正の趣旨が反映されるような取組も進めています。
山本会長は、地方の願いや思い、現場の声をしっかりと国に届けていけるよう、各都道府県の議長と一緒に取り組んでいく決意をもって、様々な取組みを推進されています。
そして現在、引き続き厳しい財政状況にある中、少子化対策、物価高への対応、デジタル化の推進など社会経済情勢変化に伴う地域課題への対応や、大規模な自然災害への対応が求められていることを踏まえつつ、特に少子化対策にも注目されてその検討を含む【地方創生懇談会】を設置し、自ら会議の進行を務められています。
このたび開催された第3回「地方創生懇談会」では、「日本全体の根本的な人口減少対策、少子化対策(自然減抑制策)」が議題とされ、こども家庭庁成育局担当の竹林悟史・長官官房審議官が招かれ、「少子化対策について」説明しました。
私は、こども家庭庁参与として、吉村顕・地方連携推進室長とともに同行しました。
参加された議長は、山本会長をはじめ次の皆様です。(敬称略)
会長 :富山県議会議長 山本 徹
副会長:北海道議会議長 冨原 亮
埼玉県議会議長 齊藤邦明
福井県議会議長 宮本 俊
滋賀県議会副議長 目片信悟
岡山県議会議長 久得大輔
沖縄県議会議長 中川京貴
まさに、北は北海道から南は沖縄県まで、日本を代表する県議会議長の皆様が、「地方創生」の重要な要素として「少子化対策」を位置づけて、「全世代社会保障」に関わってきた竹林審議官の報告を熱心に傾聴してくださったことを心強く思います。
竹林審議官は、①少子化の現状、②「こども未来戦略」、③地方創生、についてデータに基づきながら説明しました。
その後、参加された議長、副議長の全員から質疑やご意見が表明されました。
要約すると、以下のような論点です。
●保育及びひろば事業等を通して問われているのは「保育の質」であるが、保育士不足は顕著
●戦後のべビーブームは現状のような経済支援がない中でなぜ起こり、今は多様な施策があるのに出生率が低下して理由
●大学生の4人に1人が東京圏で学んでいることの地方への影響と対策を検討する際、こども政策だけでなく、教育政策も重要
●未婚が増えているが、3人4人産んでいる夫婦もいるなど結婚・出産をめぐる価値観は多様であり、小規模自治体の好事例の共有が有用
●スウェーデンの子育てしやすさの要因
●少子化の重要な要因は未婚化・晩婚化の進行であり、従来国・自治体の政策に含めることが躊躇された結婚支援が重要施策ではないか
●中長期的に対策を推進するための安定的な財源及び地方財源の確保、東京圏一極集中の是正と併せて進めていくことが重要である
すべての質疑やコメントに、竹林審議官は丁寧に応答し、さらに意見交換が深まりました。
意見交換の中で、私は、文部科学省中央教育審議会で「少子化時代の高等教育の在り方」が諮問され、特に、地方大学の自治体・地元企業との連携の重要性、地方創生との関連性が提起されていることを補足しました。
また、結婚支援については、少子化・こども政策担当大臣主宰の【若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ】での大学生の意見の紹介と、こども家庭庁長官官房の【地域少子化対策重点推進交付金】には、【地域結婚支援重点推進事業】【結婚支援コンシェルジェ事業】【結婚、妊娠・出産、子育てに温かい社会づくり・機運醸成事業】などが含まれていることを紹介して、ぜひ活用していただきたい旨を話しました。
予定時間を超過する熱心な意見交換の中で、【地方創生政策と少子化・こども政策はセットである】ということが共有されたように思います。
山本会長は、「地方は、少子化対策に真剣に向き合い、もがいています。その地方の真剣な声を聴いて、国ができることをしっかり推進していってほしい」ときっぱり、会議を締めくくられました。
自治体は二元代表制です。
知事・市区町村長と、都道府県議会・市区町村議会の両方が住民の代表です。
都道府県議会議長会【地方創生懇談会】に参加して、その意義を強く確認しました。