エントリー

山梨県上野原市【社会教育研究大会】で基調講演をしました

山梨県上野原市【社会教育研究大会】で基調講演をしました

11月23日(祝日)、私は山梨県上野原市を訪問し、上野原市文化ホールで開催の、上野原市社会教育委員の会議及び上野原市教育委員会主催の【令和6年度上野原市社会教育研究大会】で講師をつとめました。

最初に、上野原市社会教育委員会委員長の加藤重義さんが市内の社会教育活動の実践や課題を分かち合う趣旨についての主催者挨拶を行いました。
次に、上野原市の村上信行市長が、市民の社会教育活動の更なる充実への期待をこめて挨拶されました。          
大会第1部では、上野原市公民館連絡協議会会長の岡部公史さんが、公民館活動の多様な事例について発表を行うとともに、①活動拠点が不十分、②集合型+オンライン方式のバランス、③幅広い世代への対応の在り方、④役職員の高齢化・常駐職員の不在への対応、⑤小中学校の統合による学校区の拡大と公民館活動は旧学区単位であること、⑥新型コロナウイルスの影響として住民の参加意欲の低下等があること、などの課題が提起されました。
事例発表の後に、会場の参加者から、事業実施の中で高齢者による昔遊びの紹介がこどもに好評であった事例、コロナ後に【どんど焼き】を復活させたところ、親子そろっての多世代参加がみられた事例などが報告されました。

私は、主催者から希望された【社会教育とコミュ二ケーション】というテーマについて、以下の項目で話をしました。
1.今、私たちが求めるウェルビーイングを考える
2.少子化とこどもや成人の状況を知る
3.現代社会のコミュニケーションと交流を考える
4.上野原市の魅力を確かめる
5.社会教育の充実に求められる人財
現在、国や自治体で学校教育や社会教育の理念として使用されることが増えている【ウェルビーイング】とは、【身体的・精神的・社会的に良い状態にあること】であり、【短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義、将来にわたる持続的な幸福】を含む概念です。
【多様な個人がそれぞれ幸せや生きがいを感じるとともに、個人を取り巻く場や地域、社会が幸せや豊かさを感じられる良い状態にあること】も含む包括的な概念です。

そして、【コミュニケーション】とは、一般的に、2人以上の人間関係の中で展開するもので、他者との【交流】の場で展開されるやりとりです。
その機能として、情報の伝達・連絡・共有、意見・意思・思考・感情等の表明ややりとりを指します。
それは、必ずしも、文字や声で示されるものではなく、非言語の表情や身振り・手振りなどがもたらす意味も重要です。
そして、だからこそ、地域の社会教育活動が、住民同士のまちづくり、行政との協働にとっても有意義な取組みとなります。

『上野原市まちづくり基本条例』は2017年3月17日に施行されていますが、その前文には、「私たちは、地域の創生に向け、地域間連携を強化し、市民同士の交流機会の増大、コミュニティの形成など、市民参画による協働のまちづくりを進めるため、ここに上野原市まちづくり基本条例を制定します。」とされています。
その上で、【市民の権利』として、健やかで安心して暮らせる権利、まちづくりに参画する権利、まちづくりに関する情報を知る権利を有する、と明記されています。
【市民の責務】として、「市民は、本市の課題を認識し、まちづくりに関心を持つとともに、積極的にまちづくりに参画し、まちづくりを推進するよう努めるものとする」とされているとともに、「まちづくりに参画するにあたり、自らの発言及び行動に責任を持つとともに、他の市民の意思及び意見を尊重し、地域を愛し、誇りを持ち、伝統や文化を後世に伝えるよう努めるものとする」と規定されています。
そして、【協働の原則】とは、「市民、議会及び市がそれぞれの役割を認識し、対等な立場で協働を図ること」と規定されています。
さらに、【地域コミュニティ活動】については、「市民は、住みよい地域社会をつくるため、地域コミュニティの活動に参加し、その総意と協力により地域における課題の解決に向けて主体的に活動するよう努めるものとする」「地域コミュニティ活動の果たす役割を認識し、その自主性及び自立性を尊重するとともに、その活動を促進するために必要な支援等を行うものとする」と規定されています。

さらに、「上野原市まちづくり基本条例における議会の責務に基づき、市民の意思がまちづくりに反映されるよう議会、議員としての使命と責任をもって、市民の負託に応えることを決意し、本条例を制定する」として、『上野原市議会基本条例』が制定されていることも紹介しました。
まとめとして、上野原市では、岡部さんの報告にあるように、地域社会における社会教育活動に課題があるとはいえ、市民の皆様による熱心な課題解決に向けた実践も重ねられています。
そうした事例を踏まえて、私は【多世代・多様な住民の交流】が生み出す多様な【出会い】と【対話】の促進に向けて、高齢者はまちづくりにおける【生涯現役】を実現可能とすとともに、こども・若者・他地域からの人々の【発想・提案】を尊重し、【まちづくりの主体】を増やすために、社会教育活動が地域社会の基盤として機能するのではないかと語りかけました。

会場を動きながらお話をさせていただいてわかったことですが、会場には数名の市議会議員の皆様が熱心に聴講してくださいました。
たとえば、三鷹市の元職員で、現在は上野原市の市議会議員をされている小俣崇さんが、同じく三鷹市の元職員で三鷹市議会議員の経験もある夫人の小俣美恵子さんと聴講してくださり、終了後に、懐かしく対話しました。

そして、こうした大会に初めて聴講にこられた方もいらっしゃるご様子で、ありがたかったです。
大会の終了後、 加藤重義・上野原市社会教育委員会委員長、岡部公史・上野原市公民館連絡協議会会長、土屋すみじ・上野原市教育長、大場卓・同教育長職務代理者(帝京科学大学教職特命教授)、岡部貴則社会教育課長、山梨県富士・東部教育事務所の長谷川英信所長と、「質疑応答も多く寄せられて、参加者との対話が深まった大会になったのではないか」と大会を振り返りました。

ユーティリティ

記事検索Entry Search

Search
キーワード

過去ログArchives

RSS Feed