【こども誰でも通園制度】の検討会に構成員として参加し、とりまとめの会議後に大川秀子栃木市長、藤原成育局長、竹林審議官らと対話しました
政府は1年前の2023年12月22日、『こども未来戦略』を閣議決定しました。
その中の1つの政策である【こども誰でも通園制度】については、全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、現行の幼児教育・保育給付に加え、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付です。
2025 年度に『子ども・子育て支援法』に基づく【地域子ども・子育て支援事業】として制度化し、2026 年度から『子ども・子育て支援法』に基づく【新たな給付】として全国の自治体において実施される制度として構想されました。
本制度は保護者の「就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付」とされていることに意義があります。
すなわち、「保護者の都合」ではなく、「こどもまんなか」の視点に立って、こどもにとって有意義な保育の保障をしようとする制度です。
そして、【こども誰でも通園制度】については、2024年6月に可決された『児童福祉法』において、「乳児等通園支援事業」が規定されるとともに、『子ども子育て支援法』の改正により2025年度に同法に基づく【地域子ども・子育て支援事業】として制度化され、実施自治体の増加を図った上で、2026年度から同法に基づく新たな給付事業【乳児等のための支援給付】として全国の自治体において実施することとされています。
利用対象者は【0歳6か月から満3歳未満】のこどもで、月一定時間(10時間)までの利用可能枠の中で利用が可能とされています。本制度を行う事業所について、市町村による認可の仕組み、指導監査・韓国等の制度を設けることが求められることから、市町村の条例制定が必要となります。
このため、2025年度からの制度化及び2026年度からの本格実施に向けて必要な論点について検討するため、こども家庭庁成育局長が学識経験者等に参集を求め、『こども誰でも通園制度の制度化、本格実施に向けた検討会』を設置しており、私はその構成員をつとめています。
12月26日に今年度4回目の検討会が開催され、【とりまとめ案】が審議され、可決され、27日に公表されました。
https://www.cfa.go.jp/councils/newkyuufudaredemotsuuen/
会議において、私は、事務局作成の「とりまとめ案」について事前にコメントを提出しましたが、それについてほとんど反映していただいており、案について了承したうえで、「とりまとめ」の先の今後の方向性について、下記の3点を提案した。
1,「検証」に基づく改善は引き続き大事であり、今後も、学識経験者、保育所・認定こども園・幼稚園などの関係事業者、地方公共団体と意見交換や議論を重ねながら検討していく体制を整備し、今後整備される総合支援システムで実態を迅速に把握するとともに、質的な改善の視点から【EBPMのサイクル】を適切に回していく必要を提起しました。
事務局に確認したところ、来年度以降は、システム導入によって、わざわざアンケート形式での実態把握を実施せずとも、利用者数・利用件数等の基本的な実態がわかるようになるとのことです。
2.誰でも通園制度の対象を「保育所、幼稚園、認定こども園、地域型保育事業等に通っていない0歳6か月~満3歳未満」とした場合、一方で、0歳6か月未満のこどもへの対応が問題提起されてきたところ、「伴走型相談支援事業等を基本として、産後ケア事業、家庭支援事業等の様々な支援策を、必要に応じこども家庭センターで作成するサポートプラン等により適切に組み合わせながら支援していくことが重要である」ことが明記されている言ことから、引き続き、妊娠期からの切れ目のない支援を実現できるよう、関係施策の充実を図ることを確認しました。
特に、3歳になったこどもへの取り組みについては、私は、一時保育の利用もよいと思いますが、私自身の家族の経験から幼稚園の1歳児、2歳児対象のプレの取り組みに期待していることを発言しました。
3,【こども誰でも通園制度】は基礎自治体、市区町村が主体の事業ですが、円滑で、質の高い保育を実践するには、都道府県の支援が欠かせないと認識していることから、愛知県の事例などを踏まえて、都道府県と市区町村の連携の強化をはかる必要を発言しました。
同時に、審議された【手引き(案)】については、前回検討会で、手引きの作成については、本検討会のメンバをーをはじめとして、こども家庭庁と、自治体・事業者・有識者の協働で作成してほしいと発言しましたが、今年度末の完成を目指して、引き続き、自治体・事業者・有識者等のご意見を反映するとのことですので、【協働の過程】での作成を依頼しました。
加えて、ロゴマークも公表されましたので、その普及によって、【こども誰でも通園制度】そのものの国民・自治体の理解を広げていくことを呼びかけました。
この会議には、実際に【こども誰でも通園制度】の試行をしている、栃木県栃木市の大川市長はじめ、福岡市、高槻市、松戸市、七尾市の担当職員が構成員として参加しています。
この日も、公務多忙の中、会議室で参加された大川秀子栃木市長と再会しました。
大川市長とは、今夏に、市役所を訪問し【こども誰でも通園制度】の担当者及び試行中のこども園を訪問した際にお目にかかって以来の再会です。
私は三鷹市長在任中に、『路傍の石』『米百俵』など多くの作品を生み出した三鷹市ゆかりの【山本有三】を顕彰する、大正時代に建てられた洋館である【三鷹市立山本有三記念館】を保有する三鷹市を代表して、【山本有三】の生誕の地の栃木市を訪問して、大川市長と交流した経過があります。
また、この日も検討会の最初から最後まで参加して、構成員の意見を傾聴したこども家庭庁の藤原朋子成育局長、竹林悟史審議官とも、会議終了後に、望ましい制度化・本格実施に向けて、一定の「とりまとめ」がまとまった意義と展望などについて語り合いました。
まさに、【こども誰でも通園制度】も、他のこども政策と同様に、自治体と国とが車の両輪として、【こどもまんなか】の実効性を実現するために、連携して取り組むべきものであることが象徴される語り合いでした。