【全国知事会人口戦略本部長】の平井伸治鳥取県知事の友納政務官への緊急提言の提出に同席しました
全国知事会(会長:村井嘉浩宮城県知事)に今年度から設置されている【人口戦略対策本部】では、12名の知事が「日本創生に向けた若者・女性が暮らしやすい地域等瀬策研究・推進チーム」を結成しています。
12名の知事は、達増岩手県知事・吉村山形県知事・内堀福島県知事・花角新潟県知事・阿部長野県知事・大村愛知県知事・三日月滋賀県知事・湯﨑広島県知事・村岡山口県知事・中村愛媛県知事・河野宮崎県知事です。
1月21日、推進チームを代表して、本部長の平井伸治鳥取県知事が、全国知事会の中島事務総長らとこども家庭庁を訪問されました。
そして、友納理恵内閣府大臣政務官に、『若者・女性にも選ばれる地方の実現に向けた緊急提言』を手交し、趣旨を説明され、懇談される席に、私はこども家庭庁参与として同席しました。
平井知事は、2024年11月以降「日本創生に向けた人口戦略フォーラム」が各地で開催されるなど、【若者・女性にも選ばれる地方の実現】を目指して、地方からの産官学金労言士で一体となった国民運動がスタートしたところ、地方から国を変えるべく取組を進めていく決意であるので、国は政策を統括推進する司令塔を設置し、人口減少問題解決のカギを握る若者・女性の意見を取り入れながら、国と地方の適切な役割分担により、早期かつ強力に推進するようにと下記の項目を要請されました。
1.魅力ある働き方・職場づくりに向けた支援策の強化
2.全国一律での子育て支援策の早期かつ着実な実施
3.アンコンシャス・バイアスの解消
4.国と地方が意見交換する場の設置
私は、特に、【アンコンシャス・バイアス】の解消に注目します。
すなわち、知事会の緊急提言では、「女性が活躍できる地域づくりや、こども・子育て世帯を社会全体で支える気運が醸成されるよう、障壁となっている固定的な性別役割分担意識の解消や無意識の思い込みへの気づきを促すなど、普及啓発・意識醸成に向けた国民運動的な取組展開を図ること」と提案されています。
【アンコンシャス・バイアス】とは、一般に「無意識の思い込み」を示す用語とされていますが、【Implicit bias (潜在的バイアス)】という用語があることにも留意したいと思います。
一般的に、私たち人間は、特に、年齢・性別・民族など、人が自分では選択できない属性を根拠にした認識が、偏見や差別意識につながることがあります。
他者を差別することだけでなく、自分自身を型にはめて、自分の可能性や選択肢を狭めることもあります。そうしたことを防ぐ必要があります。
この日、平井知事は、鳥取県の最近の取組に基づき、『SNSやデジタル技術を使った被害から子どもたちを守るために必要な措置」についても要請されました。
その提案・要望の主旨は次の通りです。
〇昨今、全国的に、SNSによる闇バイト。オンラインカジノ、生成AIによる合成ポルノに関する未成年者の被害が報じられている
〇子どもたちが犯罪に巻き込まれたり被害に遭うことを未然に防ぐ対策が必要
〇『青少年インターネット環境整備法』において必要な措置を事業者に義務付ける等の実効的な対策が必要
〇SNSやデジタル技術を使った被害から守るために鳥取県が行う措置等への支援を求める
鳥取県では、今年の2月定例県議会において、上記の内容に対応するべく、県独自の対策を含む『青少年健全育成条例』の改正を上程の予定とのことです。
友納大臣政務官は、要請の1つひとつに丁寧に対応されましたが、看護師であり、弁護士でもあることから、特に、『青少年インターネット環境整備法』のこの趣旨からの法改正の前に、自治体での条例改正が先行することの意義について鳥取県への期待を寄せられました。
私は、三鷹市長在任中に約10年にわたり『青少年インターネット環境整備法(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)』に基づく内閣府『青少年インターネット環境の整備等に関する検討会』の委員を務めていました。
その際は、たとえば、青少年が携帯電話・スマートフォンを利用する際に有害情報に触れないようにフィルタリングの推奨が重要な柱でした。
また、私は、青少年のSNSを利用した【リベンジポルノ】についての対応を強く要請し、法律での対応をしていただいた経験があります。
『こども基本法』の制定と共に、現在はこの会議をこども家庭庁が所管しており、今年度に「インターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関するワーキンググループ」が設置されています。
最近のインターネット関連技術の革新と、多様で多機能な端末の普及によって、青少年をめぐる情報環境の課題が犯罪との関係で深刻化してきていることから、私も、鳥取県が条例改正をしていただくことが、1つの重要なインパクトになると思います。
この分野での自治体が先行する【こどもまんなか】の取組みの波及を期待したいと思います。

