【地域開発研究懇談会】で都市計画・都市工学の先駆である伊藤滋先生と大西隆先生におめにかかりました
1月の末に、【一般財団法人日本地域開発センター】主催の【第504回地域開発研究懇談会】が開催されました。
【日本地域開発センター】は、経済界・学界の代表による民間からの発意により、地域・都市・環境など国土政策全般にわたる調査研究を目的として、1964年(昭和39年)に財団法人として設立されました。発足以来、特定の立場に偏らないユニークな学際的研究機関として自主的な運営に努め、各分野の研究者と広く連携をとっいます。2012年1月に一般財団法人に移行しています。
この日の講師は、理事長の東京大学名誉教授で、伊藤滋都市計画事務所長の伊藤滋先生です。
テーマは【「日本地域開発センターの60年を振り返って」―きのう、今日、そして未来を見つめてー】です。
日本地域開発センターの初期の目的は、高度経済成長の中で、産学協同で、国土の将来像を世に問い、国内の地域開発の方針、格差是正の方針を示して、政府への提案を行い、経済発展、生活向上を実現するといったものでした。
その後は、【地方の時代】が提唱される中、【まちづくり】の領域を切り開いてきました。
21世紀に入ってからは、都市開発・地域振興等、個別テーマ研究の推進を果たしてきました。
私は、三鷹市長に就任する前に、本センターのいくつかの研究会の委員を務めました。
また、三鷹市長就任以降は、まちづくりに関する講演会を聴講する機会もありました。
そして、伊藤滋先生が先生の事務所があるご縁の渋谷区の【基本計画】や【区民憲章】策定委員会の委員長を引き受けられた際に、委員としてご一緒にお仕事をさせていただきました。
また、本センターが発行している『地域開発』誌では、国土開発、地域開発、都市開発、都市論、地方の時代、まちづくり、地方自治、地域文化論等、多種多様な領域で都市づくり・地域づくり・地域活性化の話題を取り上げてきました。
2月には第650号目の最終号が刊行され、前半では、本センターの後期にもあたる「失われた30年」についての論述がおさめられ、後半では、「これからの地域開発」の課題と展望についての論文が特集され、私は【少子長寿社会における「こどもまんなかまちづくり」がひらく多世代参加のまちづくり】と題する論文を寄稿しました。
今回の講演会は日本地域開発センターとして最後の講演ということでしたので、他の会議と重なっていましたが、ぜひ、伊藤先生にお目にかかりたいと会場の飯野ホールカンファレンスセンターに駆けつけました。
伊藤先生は1931年8月生まれの93歳ですが、初めてお目にかかった30数年前と変わらぬおしゃれでフェミニストの笑顔で迎えてくださいました。
受付でお久しぶりに再会したのは、東京大学名誉教授で、豊橋科学技術大学元学長で、同じく都市工学がご専門の大西隆先生です。
私は、大西先生とは東京都の臨海開発懇談会で委員をご一緒したり、地域開発センターの事業でも何回かご一緒しました。
また、日本学術会議の会長をおつとめの際には、私は三鷹市長在任中でしたが、自治体関係者として、【学術会議外部評価委員】を務めました。
日本学術会議第22期1年目 (平成23年10月~平成24年9月) の活動状況に関する評価
から、日本学術会議第23期3年目 (平成28年10月~平成29年9月) の活動状況に関する評価 まで、外部評価有識者として6年間務めました。
研究者としては学術会議の取組みにほとんど貢献できませんでしたが、外部評価委員として貢献できたことは大変に光栄なことでした。
お2人の都市工学の先駆者とお目にかかったこの日、私は、現代社会にある多くの課題解決に果たす、都市工学の可能性を信じたいと思いました。
