文部科学省中央教育審議会第108回生涯学習分科会のオンライン会議に参加しました。
6月17日、文部科学省中央教育審議会第108回生涯学習分科会のオンライン会議に副分科会長として参加しました。
当日の審議テーマの1つとして、コロナ禍 での生涯学習・社会教育の現場での創意工夫の実践例を共有しました。
今村久美委員は、オンライン会議システムを活用したカタリバオンラインを開始して、一斉休校中の子どもたちの生活リズムの確保のためのプログラムや、保護者の相談に対応する事業の実践を報告しました。
沖縄県那覇市の若狭公民館館長を務める宮城潤委員は、同じく一斉休校中に公民館も休館しなければならない中、YouTubeチャンネルを利用して、多様な番組を発信した実践を報告しました。
さらに、ひとり親過程が、コロナ禍で大幅な収入減少に直面する中、公民館を拠点として食材の提供サービスを行うなどの実践を報告しました。
この他、文科省の事務局からは、
- 図書館の貸し出しにおいて、手紙・電話・メールで申し込みを受けて、感染防止のために時間差をつけて貸し出しを行った事例
- 専門学校や大学によるオンラインのリカレント教育の事例
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など、全国の幅広い実践が報告されました。
新型コロナウイルス感染症対策として、全国の多くの生涯学習施設、社会教育施設が休館し、学習活動も休止することが多くなっています。
そうした中にあって、何もできないと手をこまねいているのではなく、オンライン講座、動画配信、ケーブルテレビの活用などによって、社会的距離をとる必要性から対面で学習できない状況の中でも、積極的に創意工夫して取り組んだ事例はあるのです。
こうした事例は、今後のwithコロナの時代における生涯学習・社会教育の学習機会の保障のために、有意義な先駆的事例と受け止めました。
私は、「新型コロナウイルスがもたらしている失業、貧困の増加や深刻化の現状への対応は社会的課題であるとともに、感染予防、心身の健康と日常生活のバランスの確保は、誰もに共通の課題であることから、こうした諸課題の解決のためには、高齢者から子ども・若者までの多世代の人々の為の学習の場と機会が、これまで以上に各地域で確保され、保障されなければならない」と発言しました。
今後の生涯学習分科会は、生涯学習をめぐる社会的状況としての人生100年時代、society5.0の時代に加えて、新型コロナウイルス感染症がもたらしている状況を踏まえつつ、SDGs(持続可能な開発目標)の理念である「誰一人として取り残さない」ための生涯学習・社会教育の確保に向けて、集中的に審議を進めていくことになります。
私は今後も真剣に審議に参画し、新型コロナウイルスに負けない、持続可能な学びと生活の保障に貢献したいと思います。