滋賀県湖南市の谷畑英吾市長と対話しました。
私が三鷹市長在任中に全国市長会の副会長をご一緒に務め、特に「幼児教育・保育の無償化」について、国と地方の協議をご一緒に担当した、滋賀県湖南市の谷畑英吾市長と電話で話しました。
谷畑市長は、新型コロナウイルス対策に当てるため、副市長・教育長と共に6月期の期末手当を全額返上しました。
そして、新型コロナウイルス感染症対策の特別定額給付金については、申請のあった全世帯に殆どの給付が終了し、最近は申請期限を目前に控えて、特に75歳以上の市民で申請されていない方の申請支援をしているとのことです。
谷畑市長によると、「緊急事態宣言」の期間は、特に高齢者の 「フレイル(虚弱)予防 」の為に、毎日午後5時(17 時)にラジオ体操の音楽を防災無線から流したそうです。
すると、高齢者のみならず、多世代 が体操をするようになりました。
この間、コロナ禍における市民生活の実態を把握するために、新型コロナウイルス対策を施した上で、「タウンミーティング」として「コロナに関する学区別意見交換会」を開催して自治会長を含む市民の皆様と直接対話したり、PTA連絡協議会や健康推進員協議会等と「各種団体との懇談会」も開催して、コロナ禍での課題について意見交換したりしています。
すると、市民の皆様から、地域活動の継続の困難や不安の声のほかに、ラジオ体操の放送は、自粛期間において、社会的距離を取りつつも、「地域のつながり」を感じる取り組みと感じたという声も寄せられたとのことです。
私がアドバイザーを務めている総務省行政評価局が4月に実施した高齢者の新型コロナウイルス感染症に関する情報源に関する調査では、広報紙等と共に防災行政無線を挙げる人が多かったのですが、湖南市のラジオ体操の音楽を放送した取り組みは独自性のあるものと受け止めました。
谷畑市長は同時に、防災行政無線のスピーカーの近くの市民からは、大きな音が気になるとの声も寄せられたことも、しっかりと受け止めているとのことでした。
そして、市の職員は主として75歳以上の市民の生活課題や地域課題、これまでの社会活動の経験や現在の実態などについての把握に努めているとのことです。
特に、コロナ禍で深刻化する子どもの貧困や複雑な問題に直面している家族に寄り添うためには、従来以上に、市長部局の健康・福祉部門と教育委員会との連携は重要と、実践に基づいて話してくださいました。
新型コロナウイルス感染症の猛威は、特に持病のある高齢者、障がい者の移動や活動を抑制し、子どもたちの不安を高めています。
谷畑市長からは、相対的に弱い立場の視点を大切に、この猛威を乗り越えていくために、多様な市民の多様な生活実態と課題や意見を傾聴する姿勢の重要性を学びました。
写真は、昨年7月にお目にかかった際のものです。