法務省事務次官の辻裕教さんとお会いしました。
先日、法務省事務次官の辻裕教さんとお会いして、お話しする機会がありました。
私は2002年2月から2004年7月迄、政府の司法制度改革推進本部の「裁判員制度・刑事検討会 」及び「公的弁護制度検討会」の委員を務めていました。
辻事務次官は当時、事務局で参事官としてご活躍でした。
「裁判員制度・刑事検討会 」は任期の間に32回の会議が開かれました。
「公的弁護制度検討会」は、同じ期間に14回開かれました。
辻さんは、この2つの検討会を担当されていたので、毎回の長時間に渡る会議を、私は委員として、辻さんは事務局として協働して進めていく経験をしました。
この検討会の途中で私は大学教員から三鷹市長に立場が変わりましたが、委員としては任期を全うしました。そして、三鷹市長在任中の2004年4月6日に、衆議院法務委員会で、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律案」及び「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」の審議に際して、参考人として意見陳述をする経験もしました。
特に印象深いのは、合議体の構成について、私は裁判員制度・刑事検討会において、一貫して、「裁判官三人に裁判員六人」という構成をとるのが基本的に相当であるという意見を述べてきましたが、それは検討会では少数派であったところ、法案には、私の主張通りの構成が示されていた事です。
委員会では、改めてその構成を提案した論拠について発言しました。
そうした経緯もあり、司法制度改革推進本部で約3年半の間、おつとめになられた辻事務次官とは、裁判員制度が施行から11年目を迎えており、司法への国民参加の制度として定着していることなどについて対話しました。
私は司法制度改革の取り組みに参画した者として、現在は文部科学省の中央教育審議会大学分科会の法科大学院等特別委員会の委員を務めていることをはじめとして、今後も司法制度改革の現在と未来に注目し、可能な限り参画していきたいと思っています。
参考人として招致された衆議院法務委員会の議事録は以下です。
https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=115905206X01020040406&spkNum=95