警視庁生活安全部参事官の西村力さんとお会いしました。
先日、千代田区霞ヶ関の桜田門近くにある警視庁に、第42代三鷹警察署長で現在は警視庁生活安全部参事官の西村力(ちから)さんを、前三鷹市長としてご挨拶に訪問し、警視庁管内の状況について伺い、対話しました。
私が三鷹市長在任中の2013年3月26日、西村参事官は三鷹警察署長をおつとめで、三鷹市と三鷹警察署で「三鷹市安全安心のまちづくりの推進に関する覚書」を締結し、市民の皆様の安全安心な生活の為に、市役所と警察署との更なる協働を確認しました。
その後、西村参事官は警視庁での勤務をされていますが、署長経験者として、常に地域住民の視点を大切にお仕事をされています。
その西村参事官によれば、今年の東京都内の刑法犯認知件数は、いずれの地域でも減少傾向にあるそうです。
特に、コロナ禍で、お酒を提供する飲食店での会食が抑制されていることもあり、従来に比較して飲酒を原因や契機とした暴力行為や傷害事件等が顕著に減少しているとの事です。
ただ、コロナ禍 の 「テレワーク」を含む「stayhome」で在宅時間が増えた事もあってか、DV、家庭内暴力や虐待に関する事件の増加傾向に懸念があるそうです。
そこで、警察では、こうしたことに関連する相談にきめ細かく対応し、事件を未然に防ぐ取り組みを強化しているとの事です。
そして、警視庁の犯罪に関する「警視庁メール」などの広報についても、重点的な対策を進めている特殊詐欺だけでなく、公然わいせつなどについても、可能な限りきめ細かくお知らせするようにしていると話されました。
長引くコロナ禍で、人々の緊張も継続しており、酷暑も相まって、イライラする気持ちをいかに抑制し、人間関係の摩擦を軽減するかも課題になっています。
西村参事官は、私たちには、いら立つ気持ちをコントロールして、ついカットすることがあっても、たとえ家族や親しい友人に対してであっても、相手に自分の気持ちをそのままぶつけるのではなく、たとえば「6秒ルール」を心掛ける事を提案されます。
すなわち、人間に怒りの感情が生まれたとき、理性が介入して冷静になるまでに6秒ほどかかると考えられていることから、数秒待てば、「あんなことをしなければよかった」「あんなふうに言わなければよかった」などと後悔しないように、瞬間的な怒りで生じる後悔を減らすことができるという提案です。
まさに、コロナ禍には、今まで以上に一人ひとりの怒りのマネージメントが必要になっているのです。
西村参事官との対話を通して、コロナ禍にあっては、不安な気持ちは自分だけが抱いているのではなく、「お互い様」という気持ちで支え合って乗り越えていきたいと、改めて思いました。
最近は酷暑も続いており、私たちの疲労感の日常化が指摘されていますが、今後も、私たち一人ひとりの冷静な心のマネージメントによって、刑法犯認知件数の減少が続き、社会の安全と安心が高まる事を願います。