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各省庁の事務次官方が集う「ユニバーサル社会を進める事務次官会議」で講演しました。

各省庁の事務次官方が集う「ユニバーサル社会を進める事務次官会議」で講演しました。

先日、障がい者の自立支援を進める社会福祉法人プロップ・ステーション理事長の竹中ナミさん主宰で、非公式・非公開の、各省庁の事務次官の皆さんが集う「ユニバーサル社会を進める事務次官会議」に参加し、「コロナ禍におけるオンライン利活用の光と影〜誰一人取り残すことのない、デジタルディバイド解消と社会的包摂のステージへ〜」と題して講演しました。
特に、テレワークとオンライン授業・遠隔教育に絞っで、その実態と課題についての考察を話しました。

テレワーク実施率については、産業、企業規模、地域、自治体によって相違があること、オンライン授業 については、小・中・高等学校では地域差があることを報告しました。
大学、高等専門学校では、実施率も今後の実施意向も高いですが、教育をめぐる格差をもたらすのではなく、差を減らす方向での実施が重要です。
特に、自治体のテレワーク実施率については、総務省『情報通信白書』によれば、今年の3月末現在、県レベルでは44団体94%、政令指定都市で14団体70%、市区町村では51団体3%です。
コロナ禍でテレワークのニーズは急速に普及しているとはいえ、情報セキュリティが担保された端末やネットワークの確保などが課題となり、東京都市長会の調査によれば、26市で実施したのは、三鷹、町田、日野、多摩の四市とのことです。

このように、現在の実態をデータに即して説明しました。

そして、国や自治体、民間企業等で、今後テレワークを推進するためには、前提としての端末、情報通信ネットワークの条件整備に加えて、手続きや契約にかかる書面や押印の慣行の見直し、書類のデジタル化、オフィス及び家庭の通信回線の確保を含む執務環境の整備、人事評価制度の見直しなどが課題であることを話しました。

オンライン・遠隔授業については、コロナ禍で急速に普及しているとはいえ、端末の不足、情報通信環境の整備、授業に関するノウハウの不足などを解消することが緊要です。
そして、今後も災害や感染症の発生による緊急時における学校教育活動継続の保障のために、オンライン・遠隔授業の円滑な実施に向けた条件整備が不可欠と話しました。

「デジタルディバイド」は、インターネット等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間にもたらされる格差であり、地域間、個人間、集団間、国際間にみられます。
この解消を図らないと、新たに経済的、社会的格差が増幅されるおそれがあります。
そこで、障がい者や高齢者を含むすべての人々が、情報通信技術の利益を享受することを可能にするために、情報通信サービス利活用にかかるアクセシビリティ、端末や情報利用の利用しやすさであるインターフェイスについては、特にユニバーサル化が求められます。

講演後、参加した事務次官の皆様と、国におけるテレワークやオンライン授業の実態把握について情報共有し、意見交換をしました。
事務次官の皆様お一人おひとりの発言から、真摯にコロナ禍への対応に邁進されていることがわかりました。
そして、それぞれが所管の分野での課題解決を未来志向で進めることとともに、コロナ禍で顕在化しているデジタルディバイドなどの課題解決には、各府省のヨコ連携が必要との前向きな姿勢を感じました。

また、ある省の事務次官が、メンタルで休職していた職員がテレワークによって、可能な形で仕事に戻りつつある事例を紹介し、通勤抑制の観点だけでなく、多様な職員の働き方の保障としてのテレワークの有効性を発言されたことが印象的でした。

私は、コロナ禍においてこそデジタルディバイドをなくすユニバーサル化を推進して、日々のくらしを豊かにしていくためには、オンライン利活用についても、国・自治体・民間・国民による「民学産公官の協働」の方向性が重要と話しました。
すると、事務次官はじめ参加者の皆様がうなずいて聞いていただいたことを心強く思います。
大変に貴重な機会をいただいたことに感謝しています。

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