【都政新報】素顔の「創造人」たち─清原慶子が聞く(27)
- 2020/11/24
- 都政新報
清原慶子は都政新報(火曜版)に毎週コラムを連載しています。
今日は第27回(2020.11.10版)の内容を紹介します。
今回は、2018年に総務省から出向し、現在はマイナンバー制度関連システムの構築や住民基本台帳ネットワークシステムを担当している「地方公共団体情報システム機構(J-Lis)」副理事長を務めている篠原俊博さんを紹介しています。
篠原さんは、1987年自治省入省後3か月目に滋賀県総務課市町村振興課に派遣され、財政を担当しました。
30代の1996年から4年間は愛媛県で私学文書課長と市町村課長を歴任しました。市町村合併が課題となり、市長会や町村会との対話で、各自治体の歴史と実情を尊重しつつ対応しました。
40代の2006年から4年間は鹿児島県で企画部長と総務部長を経験し、離島を含む市町村と連携して県政を総合的に担当し地方分権の難しさも実感しました。自治体出向は一般的に2~3年間とされるところ、篠原さんの場合はいずれも4年間と長期で自治体の実情を知る機会に恵まれました。
自治体での仕事を通じて、住民が行政サービスを利用する際には転出入の多様な手続きをはじめ本人認証に苦労が多いという現状を認識したことから、住民本位の住民基本台帳ネットワークを整備する必要性を痛感していた篠原さんは、2002年から総務省住民制度課で住民基本台帳ネットワーク施行に向けた取組を担当しました。
そして、2010年10月に就任したのが内閣官房社会保障改革担当室参事官で、「マイナンバー制度(社会保障と税に関する番号制度)」を構築する仕事でした。篠原さんは、全国知事会、全国市長会、全国町村会をはじめ関係団体との対話を重ね、行政サービスの利用に関する国民の手間と費用を省き、負担の公正性、給付の公平性、行政の効率化を図る方向で制度設計を進めると共に、全国各地で国民対象に制度の説明および意見交換会を開催しました。
私は、三鷹市長として、ある時は全国市長会副会長として、住民基本台帳ネットワークやマイナンバー制度が住民本位の制度となるように努める篠原さんに現場の自治体の声を伝えてきました。
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