三重県木曽岬町にて「ICT街づくり推進会議構成員等と加藤町長等との意見交換会」に参加
- 2020/02/21
- 訪問記録, 三重県, 審議会・委員会等
- 総務省, ICT街づくり推進会議
今日は三重県木曽岬町役場を訪問し、総務省「ICT街づくり推進会議構成員等と加藤町長等との意見交換会」に構成員として参加しました。
ICT街づくり推進会議構成員等と加藤町長等との意見交換会
ICT街づくり推進会議構成員等と加藤町長等との意見交換会会場にて
木曽岬町は、名古屋から至近で、木曽三川の輪中で、平成元年に町制施行した人口約6300人で、お米、トマト、海苔やうなぎが名産の農林水産業を中心とする町です。
意見交換会の開会にあたり、ICT街づくり推進会議座長の岡素之住友商事(株)特別顧問は、「ICT街づくり推進会議の特徴は、全国で展開されているデータ利活用型スマートシティの現地調査を行って、現場から学び、ヨコ展開を図ることである」と話しました。
木曽岬町加藤隆町長は、「伊勢湾台風被害を経験し、海抜0メートルである木曽三川の輪中の地域特性を踏まえ、住民の命を守る防災対策を最優先に、地元ケーブルテレビ局(株)シー・ティー・ワイと協働し地域BWA(地域広帯域移動無線アクセス)の活用を図りたい」と説明しました。
町の危機管理課の職員は、指定避難所の公共Wi-Fi等の防災・防犯・公共交通・子育て・教育などの幅広い暮らしの分野で、住民の安全・安心まちづくりを進めるために、地域BWAを活用する事例を報告しました。
私が「政府がGIGAスクール構想を進める時代にあって、教育に地域BWAを生かすビジョン」について質問すると、山北哲教育長は、「町の小中学校では既にタブレット型端末や電子黒板を導入しているとともに、プログラミング教育も実施していることを前進させたい」と話しました。
そして「今後はまち歩き学習 などの校外学習に校内LANだけでなく地域BWAがあるメリットを生かしていきたい」と展望しました。
岡座長は、全国の事例から考察するICT街づくりの成功の秘訣は、
- 首長のビジョン・リーダーシップ
- ビジョンを共有した住民参加
- 専門家や地元企業の協力と挨拶
に集約されると話しました。
岡座長のご指摘を踏まえて木曽岬町の事例を考察すると、加藤町長の確かなビジョンがあり、それを具体化するために森清秀副町長、山北教育長、町の職員が創意工夫し、それを実現する方向でのケーブルテレビ局との連携があることが注目されます。
そこで、今後は、ケーブルテレビや地域BWAを利用する主人公である住民の皆様の主体的な利用が進み、住民の皆様と町との協働 が深まることを期待したいと思います。
木曽岬町役場について
昨日訪問した三重県木曽岬町役場は、2017年12月に完成した複合型庁舎です。
役場と議場をはじめ図書館、町民ホール、福祉・教育センターを配置した町の中核施設です。
水郷輪中であることと伊勢湾台風被害の歴史から、避難のための助命壇(洪水避難場所)や防災本部等の防災拠点機能も果たしています。
公共施設には木材を使用する方針を持つ町ですので、外装には再生木ルーバーが使用されて心を和ませています。
町長によれば、建て替えにはいろいろな議論や経過があったとのことですが、現在は地理的にも機能的にも住民の皆様にとって中核的拠点になっているとのことです。
木曽岬農業センターを訪問
木曽岬町長のご案内で、ICTを生かした農業経営をしている有限会社木曽岬農業センターを訪問しました。
この会社は平成29年第46回日本農業大賞を個別経営の部で受賞しました。
古村精康社長を中心に、土地改良から出荷までサポートする田んぼや麦畑・大豆畑が約2千区画、名古屋ドームの約50倍とのことです。
これだけ圃場が分散し、広くなりますと、計画的に着実に作業を行うには、農業機械の活用だけでなく、適切な圃場ごとの管理が必要です。
そこで、ICTで圃場毎にトラクターや食味収量コンバイン等農業機械からセンサー等で伝えられる情報で作業や生育管理を行います。
作業する人はスマホを端末に、センターとの情報収集・情報交換をしています。
収穫したお米は最新の色彩ガラス選別機や低温倉庫で品質管理を行っています。
アメリカのワシントン州など西海岸を中心に農業を学んだ経験を、日本の農業に生かそうと、農業経営システムのオペレーターで活躍する古村英之さんの笑顔は、品質への自信の証です。