内閣府「令和3年度結婚新生活支援事業自治体間連携モデル」の審査委員を務めました。
先ごろ、内閣府「令和3年度結婚新生活支援事業自治体間連携モデル」に係る審査委員を務めました。
本事業は、「地域少子化対策重点推進交付金」を、結婚に伴う経済的負担を軽減する為に、新婚世帯に対し新居の家賃や引越し費用を支援する県と市町村との自治体間連携に、国が一部補助をするという事業です。
日本総研『リサーチアイ』(2020年12月)によれば、「コロナ禍は婚姻数の下振れも招いており、このまま推移すれば2020年の婚姻数は▲16.2%の大幅減となる見込み」で、「2021年以降の出生数のさらなる下押し要因に」なるとのことです。
また、明治安田生命総合研究所の調査によれば、新型コロナ感染症の流行は結婚式や妊娠件数に 影響を与えており、2021年の出生数が大幅に減少することが懸念されています。
新型コロナの流行が本格化した 昨年3月以降、結婚式の延期・中止が急増していて、3 月の結婚式場業の取扱件数は前年同月比 43.0%減少し、緊急事態宣言が発出された4月は同92.1%減、5 月は同97.3%減にまで落ちこんだとのことです。
緊急事態宣言が解除された 6月以降は徐々に回復しつつあるものの、回復のペースは鈍く、10月でも同40.8%減と大幅なマイナスが続いています。
このような現状からも、なんらかの結婚支援事業の必要性は明らかです。
令和2年度結婚新生活支援事業は内閣府のホームページに紹介されているように、ほとんどの道府県が交付を受けて進められています。
一般に、少子化対策の分野では、「妊娠から出産までの切れ目のない支援」が必要とされ、「妊婦全員面接」や「両親学級」などの取り組みが推進されてきました。
また、出産後の支援として、保育園、子ども園や学童保育、産後ケアなどの育児支援の充実が必要として進められてきました。
しかしながら近年は、そもそも結婚しない若者が増えている傾向が指摘されており、少なくとも結婚したい若者が経済的理由で結婚できない状況には公的な支援が必要であるとのことからこの結婚支援事業が行われています。
そして、多くの道府県と市町村が、それぞれの地域の実情に基づいて、結婚したい若者の結婚へのハードルを下げる機運と支援施策を推進していることは、先行き不透明なコロナ禍だからこそ求められていると感じながら審査に臨みました。
コロナ禍のまま迎える令和3年度の本事業が、結婚したい若者たちにとって有効に、着実に成果を上げることを願っています。