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三鷹の森ジブリ美術館館主の中島清文さんとの対話

三鷹の森ジブリ美術館館主の中島清文さんとの対話

今年も「子どもの日」を迎えていますが、子どもたちを待っている、子どもたちが大好きな三鷹市立アニメーション美術館・三鷹の森ジブリ美術館は、緊急事態宣言発令を受けて、三鷹市 と協議の結果、4月25日から5月11日まで臨時休館中です。
休館前の4月のある日、今年1月に同美術館の初代館主の宮崎駿さんを引き継いで、二代目館主 に就任した中島清文さんを同美術館に訪ねました。

私は、春の陽射しが差し込む「カフェ麦わら帽子」で、 「野っばらのクリームソーダ」を飲みながら、お久しぶりに中島さんと対話しました。

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中島さんは、私が三鷹市長在任中、それまで勤務されていた金融機関を退社して、初代館長の宮崎吾朗さんを支える事務局長として、またジブリ美術館を運営する公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団の常務理事に就任されました。
市長はその財団の副理事長でもあり、中島さんとは折々にお目にかかり協議しながら美術館の運営にあたってきました。

その後、宮崎吾朗さんがアニメーション映画監督に専念するために館長を辞任されることになり、中島さんが館長に就任されました。
そして、10年前の東日本大震災の際には、美術館に来館されていたお客様が帰宅困難者となられた際に、美術館として安全に宿泊するコーディネートをされました。
一貫して自衛消防や危機管理に努められ、来館者が安心して安全に鑑賞できるようにされてこられました。

中島さんは、約3年前に株式会社スタジオジブリの代表取締役社長に就任されましたが、財団の常務理事は引き続き務めてこられました。
そして、今は社長職を離れて館主として、常務理事として、ジブリ美術館の運営に専念されています。

しかしながら、昨年3月からはコロナ禍に直面する本当に未曾有の状況下での運営となり、ご苦労は計り知れません。
中島さんは、

ジブリ美術館は、自然との共生、地球環境問題への対応などについては先取りしていた部分があったかもしれませんね。
けれでも、昨今のSDGsの考え方が国際的に共有される中で、時代に追い付かれてしまったような気がしています。
もう一段考えていかねばならないと。
さらに今、重要だと考えているのが様々な『多様性』を受け止めていくことです。
積極的に取り込み対応していくという意味ですが。
たとえば、次回の企画展示は宮崎吾朗監督による映画『アーヤと魔女』をテーマにしていますが、その映画の制作スタッフ・アニメーターの国籍はマレーシア、台湾、インドネシアやフランスなど実に多様化しています。
3DCGを共通言語として、国籍を超えて力のある人が結集してくれました。ぜひ映画も企画展示も楽しみにしてください。

と語りました。

『アーヤと魔女』は、宮崎駿監督が企画を担当し、宮崎吾朗監督のもと寺島しのぶさん、豊川悦司さん、濱田岳さん、平澤宏々路さんがキャストに名を連ねています。
映画の上映も緊急事態宣言下で延期されていますが、コロナ禍が落ち着けば、映画館での上映と三鷹の森ジブリ美術館の企画展が連動していくことが期待されます。

館主の中島さんの人間味あふれる笑顔に久しぶりに接した私は、コロナ禍の緊急事態が一日も早く収束して、三鷹の森ジブリ美術館の発信が、新しいアニメーション文化の扉を開くことを、心から期待しています。

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