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「令和2年国勢調査」「人口速報集計結果」の公表について

「令和2年国勢調査」「人口速報集計結果」の公表について

令和2(2020)年10月に実施の「令和2年国勢調査」のうち「人口速報集計結果の要約」が総務省統計局統計調査部から公表されました。
昨年の10月といえば、緊急事態宣言こそ発令されていませんでしたが、コロナ禍での調査でした。

公的統計の在り方について審議する「統計委員会」の委員を務めている私としては、厳しいコロナ禍における国勢調査への回答のご協力に向けて、オンラインでの回答を容易にするための条件整備やコールセンターの充実について提案してきましたので、皆様の回答へのご協力に深く感謝致します。

速報値では、2020 年(令和2年)10 月1日現在の我が国の人口は1億 2622 万7千人 で、2015 年に比べ人口は 86 万8千人減少(0.7%減)と引き続き人口減の傾向が続いています。

ただ前回よりも減少幅は縮小しているとのことで、その要因について総務省では、死亡者数が出生者数を上回る自然減は増えたものの、日本で生活する外国人の増加、コロナ禍で海外から帰国した日本人が増加していることを挙げています。

人口が最も多いのは東京都(1406万5千人)です。
東京圏(東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県)の人口は 3693 万9千人で,全国の約3割(29.3%)を占めています。
人口上位8都道府県(6402 万6千人)で全国の5割以上(50.7%)を占めていることが明らかになり、まさに日本の人口は偏在していることがわかります。

特に、東京都・神奈川県・埼玉県など9都府県で人口が増加しており、増加率が最も高いのは東京都(4.1%)、次いで沖縄県(2.4%)、神奈川県(1.3%)などです。
これらの結果をみますと、この間、新型コロナウィルス感染症対策のために緊急事態宣言やまんえん防止等特別措置が発令されている都府県と重なることに気付きます。
ただ、今年になってからは、テレワーク等の普及や飲食店等の経営の困難などから東京都から他に転出する人が増加傾向にあるとの動向も報道されていますので、今後も丁寧な人口把握が必要です。

また、市町村の人口動向をみますと、人口が減少したのは 1,416 市町村で、なんと全体の 82.4%を占めています。
特に5%以上人口が 減少した市町村は 50.9%と半数を超える点は看過できません。

人口増加数が最も大きいのは東京都特別区部(47 万2千人)で、次いで福岡県福岡 市(7万5千人)、神奈川県川崎市(6万4千人)などの政令市が続きます。
同じ政令市でも、人口減少数が最も大きいのは福岡県北九州市(2万2千人)、次いで新潟県新潟 市(2万人)、県庁所在地の長崎県長崎市(2万人)などが続きます。
また、世帯数は 5572 万世帯,2015 年に比べ,227 万1千世帯増加(4.2%増) しています。
世帯増加率は沖縄県が 9.3%と最も高く、41 都道府県で世帯数が増加 しています。
この背景には、1世帯当たり人員は 2.27 人で引き続き減少していることにあらわれているように、一人世帯、二人世帯が多く、「核家族化」というよりも、「核家族の定着」、「一人暮らしの増加」の影響が顕著であるといえます。

日本で国勢調査が本格的に始まったのは1920年です。
2020年の調査は、調査開始からちょうど100年目の調査でした。

国勢調査は、日本に住んでいるすべての人と世帯を対象とする、国の最も重要な統計調査で、5年ごとに実施されています。
日本に住んでいる外国人についても対象となります。
国勢調査から得られる日本の人口や世帯の実態は、国や自治体の行政に利用されることはもちろん、民間企業や研究機関でも広く利用されている基幹的な調査です。
昨年はコロナ禍で、私もオンラインで回答しましたが、今回は従来よりもオンラインでの回答が多く寄せられたのではないかと思います。

6月には人口の速報値が公表されましたが、国勢調査については、今後の段階的な結果の公表についても注目していきましょう。

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