清原慶子 Official Website

8月8日、東京2020オリンピックは閉会しました。
開会式前から東京都は新型コロナウイルス感染症対策の為に緊急事態宣言が発令されていましたので、ほとんどの種目が無観客で開催されました。
そこで、各種競技についての児童生徒の見学（学校連携観戦）は実施されませんでした。
観戦用の入場券も生かされないままでした。
このことは子どもたちを感染から守る為に致し方なかったことと思います。

さかのぼって57年前の1964年10月に開催された「第18回オリンピック東京大会」の際、私はクラス担任に引率されて、旧国立競技場で陸上競技を見学しました。
私は当日のプログラムを記念にしたいと思いこれまで保存していました。
表紙は少し黄色くなるなど、時の流れを感じますが、そのうちの「十種競技」のページには、各選手の100メートル走などの記録を鉛筆でメモしているのが見つかりました。
熱心に見学していたことが伺えます。

プログラムを眺めていると、幼い心を圧倒した建設されたばかりの国立競技場の美しさと広さ、上空に広がる澄み切った秋の青空、そのもとで快走する選手の皆様の勇姿など、57年前の東京オリンピックの記録と記憶がよみがえります。
コロナ禍でなければ、各競技会場を訪れ、世界中から集まった選手の皆様の姿と記録が子どもたちの記憶に刻まれたことであろうと思います。
まさに、新型コロナウイルスの猛威とそれがもたらす大きく深い影響、それによる人々の不安が、そうした感動の機会を奪っていることを悔しく、残念に思わざるを得ません。

ここに、私のささやかでもあざやかな記録と記憶を残したいと思います。