デジタル庁の統括官の篠原俊博さんを訪ねました。
先日、今年9月に発足したデジタル庁に、統括官の篠原俊博さんを訪ねて懇談しました。
篠原さんは、私が代表者会議の委員を務めている地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の副理事長を今春まで務めていました。
そんなご縁で、新しいお仕事についてお話を伺うために、訪問しました。
統括官は事務方トップのデジタル監、デジタル審議官に次ぐポストです。
篠原さんは「省庁業務サービスグループ長」として約130人の部下を率いています。
新たなポストでは、年金や国税など国の基幹システムの統合・刷新や、文書管理などシステムの整備・運用することで、政府が進める行政デジタル化を担当しています。
各省庁との連携が不可欠であり、バラバラに整備されてきた国の古いシステムを刷新することで、コストの大幅削減により国民の負担を減らして役立てるようにしたいと語ります。
これまでマイナンバーカードやマイナンバーカードシステムの創設と運用に関わってきた篠原さんですが、行政手続きではデジタル化されていない部分がまだまだ多いと受け止めています。
「是非とも国民の皆様がスマートフォンやタブレットを使って迅速に、快適に、多様な手続きが完了する仕組みを実現させたい」
と語ります。
その後の12月22日、官邸で「デジタル臨時行政調査会(第2回)」が開催され、牧島かれんデジタル担当大臣によって、「デジタル時代の構造改革とデジタル原則の方向性について」のプレゼンがあり、デジタル改革、規制改革、行政改革の全ての改革の共通指針として、5つのデジタル原則 が策定されたとのことがホームページで公表されました。
デジタル原則は
(1)デジタル完結・自動化
(2)機動的で柔軟なガバナンス
(3)官民連携
(4)相互運用性の確保
(5)共通基盤の利用
の5項目で構成されています。
来年春の一括見直しプランの具体化に向け、デジタル原則に照らした総点検に取り組むとされています。
この会議で公表されている配布資料によれば、構成員である高島宗一郎福岡市長は、「デジタル原則を進めるにあたって」として、次の2項目を提起されています。
○国民がどこに住んでいても恩恵を受けるデータポータビリティの実現
■国と地方のデジタルシフトを強力に推進する体制を
- デジタル原則が国だけでなく自治体にも共通の指針となることが重要
- 自治体の相談や提案の窓口設置など国の後押しを期待
○行政コストに国民の関心が高まった今こそ、プッシュ型行政への転換を
■デジタル化の恩恵を国民が実感できるわかりやすい目玉施策を
- マイナンバーカードの取得と公金受取口座の登録の原則化を
- デジタル完結を前提としたマイナポータル起点の制度設計へ
- 自治体はスマホ・PCの利用や口座登録が難しい方へのフォローに注力
また、村井純慶應義塾大学教授は、デジタル改革についての意見として、
(1) すべての法律類を網羅的にチェックして改正を推進することは極めて有効で ある。全省庁をはじめ、関連機関の覚悟を決めた協力が必須である。本件の、 デジタル臨調推進担当者は、対象機関に徹底的に理解と実行お願いする辛抱強 い遂行努力が必要となる。Now or Never (「今しかない!」)の覚悟で取り組む 必要がある。
(2) 我が国のデジタル行政サービスのこれまでと現状を鑑みると、法律の改正だけでは充分でないことは明らかである。サービスを受ける側の国民の気づきと協 力、窓口を担当する行政サービスの当事者からの自発的・自律的な改革推進の ためのアクションが必須である。この二者、窓口でデジタル化を提案する国民 と、窓口でデジタル化の推進を志す有志担当者が、本当のデジタル化に貢献で きる具体的な方策を講じることが法律の改正に加えて必要である。
と以上のように2点に集約して問題提起されており、大いに共感します。
デジタルガバメント、電子政府の取り組みは、それを進めることによって、国民本位で、国民満足度が上がる方向での行政サービスの充実が実現するものでなければならないと思います。