鷹南学園三鷹市立東台小学校で絵本の読み聞かせをしました。
鷹南学園三鷹市立東台小学校のスクールサポーターとして、6年生のクラスで絵本の読み聞かせをしました。
私にとって小学校の最高学年である6年生を対象にした読み聞かせは初めてでしたので、特に選書には悩みました。
小学校生活もあと半年あまりとなった現在の6年生にとって、この2年半はコロナ禍で低学年の時の学校生活とは大いに様変わりしています。
そこで、6年生には、朝の始業前の時間に、少しでもゆったりとした気持ちで絵本の読み聞かせを受け止めてほしいと思いました。
そうした想いから、この日最初に読んだのは、佐野洋子作・絵『100万回生きたねこ』です。
この絵本は、初版が1977年10月で、45年前に出版された絵本です。
私はこの本を自分の子どもたちにも読み聞かせしていました。
長きに渡り親しまれ愛されているこのお話はすでに読んでいる人も多いのではないかと思い、選ぶには少し悩みました。
けれども、100万回生まれかわってきたねこが、のらねこのときに出会った白い美しいねこと家族となり多くのこどもを育てて、白いねこを見送ってからは、100万回も泣いて、決して生き返らなかったというこのお話から、6年生の今、児童の皆さんに改めて自分なりのメッセージを受け止め噛み締めてほしいと思い選択しました。
2冊目に選んだのは坂井治作・絵『13800000000年きみのたび』です。
これは、もとは小さい「原子」だった私たち人間の、138億年前からの進化の経過を分かりやすくたどる科学の視点を受け止められる絵本です。
始業時間の関係で、2冊目は最後までは読めませんでしたが、担任の先生が、児童に感想を促してくれました。
すると、2人の男子が挙手して感想を言ってくれました。
1人目は「大きな声ではっきりと読んでくれたので、絵本のお話の内容が分かりやすかったです。」と言ってくれました。
2人目は「とてもゆっくり読んでくれたので、絵本の内容がわかっただけでなく、その内容から自分で考える余裕がありました。」と続けてくれました。
その感想に何人もの児童が頷いてくれました。
こどもたちは全く素直に感想を言ってくれたと思いますが、2人とも本の内容への感想ではなく、期せずして読み聞かせの仕方についての感想を言ってくれたのです。
児童の皆さんは私が6年生に読み聞かせをしたのが初めてということを知らないと思いますが、結果として、6年生対象の読み聞かせ初心者の私に対して、自信と今後の取り組みへの意欲をもたらす声が届いたのです。
最後に、児童全員が起立して「どうもありがとうございます」と頭を下げてくれましたが、「こちらこそ、どうもありがとうございます。小学生としての残る日々を元気に、お友達と楽しく思い出深く過ごしてください。そして、ひょっとしたら皆さんにとっての白いねこなような大切な人が見つかるかもしれませんね。」と、私も感謝を込めて深く頭をさげました。