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三鷹市立東台小学校の特別支援学級で絵本の読み聞かせをしました。

三鷹市立東台小学校の特別支援学級で絵本の読み聞かせをしました。

先日、私がスクールサポーターをしている鷹南学園三鷹市立東台小学校の特別支援学級の始業前に、2冊の絵本の読み聞かせをしました。
その日、読み聞かせに選んだ絵本は、馬場のぼる作の『11ぴきのねこ』と中川李枝子作・山脇百合子絵の『ねことらくん』です。
対象の児童は1年生から6年生です。

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絵本を読む前に、「皆さんは犬と猫とどちらの方が好きですか?」と尋ねると、猫の方が少し多かったので、絵本の選択はよかったようです。
中川李枝子さんと山脇百合子さんは実の姉妹で、『いやいやえん』や『ぐりとぐら』シリーズなどでは、2人で絵本を作っています。

『ねことらくん』は、私が毎月定期購読していた『こどものとも』の1981年 4月号として届いた絵本で、2006年9月に『こどものとも傑作集第1冊』としても刊行されています。
「こどものとも」の一冊として発行された1981年 4月は、私が長女を産んで約1年後のことでした。そこで、長女にとっては自分で手にして読むことができる「初めての絵本」の一冊でした。
当時大学教員であった私は、その頃の2年間は年に3回ずつ、アメリカの大学へ長女を連れて出張をしていました。
特に、アメリカにいる時に、長女が「ねことらくん!ねことらくん!」とこの絵本を読んでとねだるので、何度も何度も読み聞かせをした本です。
やがて、長女はすっかり話の内容を覚えてしまって、文字が読めなくても、それぞれのページをめくると、文章を暗誦して読んでいた大切な思い出の絵本です。
そして、そのことを知っていた次女が、「こどものとも」の絵本は紙が薄いのでだいぶん傷んでしまったことから、傑作集として刊行されているハードカバーの本を私にプレゼントしてくれました。
私はその本を、今度は孫たちに読み聞かせてきたのです。

『ねことらくん』の話は、部屋で遊んでいるゆうじのところにやってきた「ねこはねこでも虎ぐらい強い」ねことゆうじが、自分のベストとねこのしっぽを交換して、ゆうじは外出し、ねこは部屋で遊ぶことから始まります。
ゆうじは、通せんぼをしたカラスに大きな石をどけることができる力強さを示したり、熊のおばあさんの買い物を運ぶのを手伝ったり、大きな赤い風船 を持って飛ばされてしまって木に引っかかってしまった子うさぎを助けたり、「ねこはねこでも虎のように強いねことら、力もち」と大活躍します。
帰宅して、またゆうじとねこがベストとしっぽを交換して、もとに戻るというお話です。
さて、読み聞かせをした後で、児童全員が声をそろえて「ありがとうございます」と言ってくれました。
それに加えて、仕度をすませた帰りがけに、1番前に座っていた1年生の女子児童が、しっかりと私の目を見て、「読んでくれてどうもありがとうございます」と言ってくれました。
そこで、私もその児童の目を見て、「こちらこそ、一生懸命に聞いてくれてどうもありがとうございます。」と申しました。

そして、東台小学校から帰宅してまもなく、山脇百合子さんが9月29日に逝去されていたとのネットのニュースに触れました。
この9月29日は姉の中川李枝子さんの87歳の誕生日でした。
6歳年下の妹さんを先に見送った中川李枝子さんの深いお悲しみを拝察します。
多くの絵本で、豊かな心を私たち家族の三世代にわたって育てていただくなど、多くの人々にいろいろな感動を届けてきた山脇百合子さんのご冥福を、心からお祈りいたします。

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