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文部科学省中央教育審議会「教育振興基本計画特別部会(第8回)」に参加しました。

文部科学省中央教育審議会「教育振興基本計画特別部会(第8回)」に参加しました。

10月13日、文部科学省中央教育審議会「教育振興基本計画特別部会(第8回ハイブリッド会議)」に文部科学省会議室で参加しました。
会議室参加は渡邊光一郎部会長(第一生命ホールディングス会長)、松浦良允委員(慶應義塾常任理事・教授)と私の3人でした。

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議題1は「次期教育振興基本計画についての基本的な考え方(案)」です。
中央教育審議会は今年2月7日に文部科学大臣から「2040年以降の社会を見据えた教育政策」に関する諮問を受け、諮問では特に「超スマート社会(Society 5.0)を念頭に置き、ウェルビーイングの観点も踏まえ、新型コロナウイルス感染症を契機としたオンライン教育を活用する観点など『デジタル』と『リアル』の最適な組合せ、及び、幼児教育・義務教育の基礎の上に、高等学校、大学、高等専門学校、専門学校、大学院まで全体が連続性・一貫性を持ち、社会のニーズに応えるものとなる教育や学習の在り方について、総合的かつ体系的に示す」とされています。
本特別部会では、第3期基本計画に基づく成果と課題を踏まえ、委員による問題提起と意見交換により本案をまとめました。

本会議では、ほとんどの委員から意見が表明されました。
私は、本案は諮問内容に適合的であり、日本型ウエルビーイング、教育DX等や作成過程におけるこどもや若者の意見を聴くなど新たな方向性を示していることを指摘しました。

本案では今後の教育政策に関する基本的な方針として

①日本型ウェルビーイングの向上・共生社会の実現に向けた教育の推進
②グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続けるを生み出す人材の育成
③地域や家庭で共に学び支え合う社会の実現に向けた教育の推進
④教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
⑤計画の実効性確保のための基盤整備・対話 

を提示しています。

注目されるのは、
〇これまでの同一年齢で同一内容を学習することを前提とした教育の在り方に過度にとらわれず、日本型学校教育の優れた蓄積も生かして、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実していくことも重要である。
〇学び手、学校、保護者・地域住民等が「三方よし」となり、それぞれのウェルビーイングが高まるよう三者が一体となって取組を推進する。
〇学校と地域・産学官の連携を推進していくためには、人と人、組織と組織をつなぎ、拡げていく機能が重要となる。そのためのコーディネーター人材の育成や、コンソーシアムによる組織間の連携が求められる。
〇人生100年時代は、同一年齢での単線的な学びや進路選択を前提とした人生のモデルから、一人一人の学ぶ時期や進路が複線化する人生のマルチステージモデルへと転換することが予測されている。こうした社会の構造的な変化に対応するため、学校教育における学びの多様化とともに、社会人の学び直し(リカレント教育)をはじめとする生涯学習の必要性が高まっている。
〇「学校と地域との連携」として、地域で共に学び支え合う社会の実現に向けては、学校教育と社会教育がより連携することが重要である。学校と地域住民等が連携・協働し、相互にパートナーとして一体となって、次世代の地域・社会の担い手としての子供たちの成長を支えていくことが求められる。
このため、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進など、社会教育の充実による地域の教育力の向上や地域コミュニティの基盤強化を図ることが求められる。

などの記述です。

また、「⑤計画の実効性確保のための基盤整備・対話」においては、特に「教育関係団体や関係省庁から意見を聴くとともに、教育の当事者である子供からの意見を聴くことも必要である。その上で、対話を通じて計画の策定・広報・フォローアップを行うことで、教育現場、地方公共団体、子供・学生・保護者・学習者、大学等の高等教育機関など、各ステークホルダーと政府が一体となって教育を振興していく共通意識を持つことが重要である」との記述の意義を主張しました。
子どもの意見表明権の保障が規定されている「こども基本法」の来年4月の施行を踏まえ、議題として内閣府「政策ユース」との連携が予定されていることも注目です。

今後は各論の深化をはかる審議過程に引き続き一生懸命に参画していきたいと思います。
私は、こどもからおとなまで、計画策定過程に参画することが、計画の実現について重要と考えます。
幅広い皆様のご注目とご参画を期待します。

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