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第75回ケアネットしんなか委員会に出席しました。

第75回ケアネットしんなか委員会に出席しました。

先日、第75回ケアネットしんなか委員会に推進委員として出席し、学習会でユマニチュード・インストラクターの調布市東山病院看護師の安藤夏子さんの講演を受講しました。

ユマニチュードとは、フランスの体育学の教師が生み出したケアのメソッド(技術)ということです。
特に認知症患者のケアの手法として注目されています。
認知症は自身の周囲の状況を理解できない症状を持つので、認知症病棟勤務の看護師は患者との関係がなかなか取り結ばず、ストレスが多いことから離職率が高くなっていることが課題になっています。

そこで、「見る」「話す」「触れる」というコミュニケーションを、対象者の正面・水平・近く・長く行うことで、対象者の尊厳を立てる技術であるユマニチュードが注目されています。

たとえば「見る」については、よい人間関係の場合、人は対象に愛・優しさの心で向き合い、尊厳を立てて臨み、対象を正面から、水平に向き合い、近くにいて、比較的長くやりとりします。
反対に、ネガティブな人間関係の場合、人は対象者を支配し、見下し、攻撃し、対象を垂直に、横から、短く、遠く見る傾向があります。
そして、最悪なのは対象を見ないことであり、それは存在を認めないというメッセージになります。

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「話す」については、低めのトーンで、穏やかに話すことがよいコミュニケーションをもたらし、「触れる」については、広く、包み込むように、ゆっくりとすることが望ましいことになります。
ユマニチュードは、この「見る」「話す」「触れる」というコミュニケーションについて、よい関係をつくるメソッドによって、認知症患者について、穏やかに接して、口腔ケア等の看護の効果を上げるなどの事例が報告されました。

ユマニチュードが示している、対象を尊重したコミュニケーションのあり方は、認知症患者への看護の向上にとどまらず、地域ケアネットワークの取り組みを進める上でも大いに役立つのではないかと、畑谷会長はじめ参加者の皆さんで話し合いました。

私は、地域ケアネットワークなど、市民が市民を支援しようとする時、対象者が認知症の方であれ、障がい者であれ、なんらかの困難に直面して支援を必要とする対象者には、まずは、対象者の基本的人権を尊重した態度が基本であるのであり、それがユマニチュードというメソッドの基本でもあるように受け止めました。

支えられる人の人権が保障されることによって、支援する人の人権も保障されるのであり、両者の人権を保障するのが、対等のコミュニケーションなのではないかと考えます。

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