柳孝文部科学事務次官と面談しました
文部科学省の柳孝事務次官と面談しました。
柳次官は科学技術庁出身で、文科省では研究開発局宇宙開発課長、大臣官房政策課長などを歴任されると共に、内閣府では科学技術・イノベーションを担当する審議官や政策統括官をされました。
そこで、私が三鷹市長在任中進めた国立天文台との科学技術プロデューサー養成や世界天文年を契機に実施してきた「三鷹の森科学文化祭」などでの協働に注目してくださいました。
私は、教育の営みにとって、科学技術は1つの大切な基盤となる分野であり、私は特にメディア学や情報通信技術の教育を含む社会生活に与える影響・効果や課題について関心を持ってきたことを話しました。
柳次官は、デジタル技術の重要性を考える時、日本では従来は女性が科学技術の分野を進路に選ばない傾向があったことから、今後はぜひ、ジェンダーを問わずそれぞれの関心と適性等から、進路・キャリアをのびのびと選択する社会にしていきたいと語ります。大いに共感します。
また、国際協力開発室長をされたり、現在は個人や企業の寄付や支援による官民協働の「トビタテ!留学JAPAN」の取組みを推進されています。
そこで、私が三鷹市でかねて行なっていた中学生のニュージーランド派遣やオンラインでの児童生徒とシンガポールの児童生徒との国際理解教育のモデル事業の実施経験から、小中学校の児童生徒には国際的な視野が広がるとともに、参加した生徒にはその後の進路に国際関係の分野を選ぶ傾向が見られたことなどを紹介しました。
すると、柳次官は第一ステージの際には大学生の留学が主たる支援対象でしたが、第二ステージ(2023〜2027年度)は、留学や異文化体験を早めに経験することによって、大学進学を含めて将来の進路決定にさらに寄与したいと考えて、高校生コースに力を入れているそうです。
ただ、コロナ禍や経済的状況もあって、第一ステージの時よりも集まる寄付の額は低下傾向にあるので、その拡充が課題と話します。
そして、柳次官は、最近、母校の新潟県の高校に出向き、卒業生である文部科学省事務次官として、地元を見つめるとともに、国内外に視野を大きく広げて、将来の自分の進路を考えてほしいとのメッセージを伝えたそうです。
柳次官の実践を端緒に、文部科学省の職員の皆様にも、機会があればぜひ出身高校で、官僚の仕事のことや、文部科学省の取り組みについて話していただくこともよいことではないかと願いを話しました。
柳次官との対話を通して、こどもから大人までの未来を開く「教育」の基盤には、「科学技術」があること、そして、「教育」の在り方が「科学技術」の未来を切り開くことを改めて確認できたように思います。