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デジタル環境に生きるこどもたちのウエルビーイングを考える

デジタル環境に生きるこどもたちのウエルビーイングを考える

こども家庭庁設立準備室の取り組みを含むこども政策を所管されている自見はなこ内閣府大臣政務官と、お茶の水女子大サイエンス&エデュケーションセンター客員教授でLINE未来財団特別上席研究員もされている齋藤長行先生の対話に同席しました。
自見政務官は来年度に取りまとめるこども政策の基本理念や政策の方向性を示す『こども大綱』の策定に向けて、小倉まさのぶ大臣、和田義明副大臣とともに、多角的な調査活動や有識者やステークホルダーとの意見交換を重ねています。
その中で、大切なテーマの一つが「デジタル環境に生きるこどもたちのウェルビーイング」です。

齋藤先生は2021年5月のOECDの『デジタル環境下のこどもに関する理事会勧告』の策定過程における専門家会議のメンバーとして参画された方です。
そこで、たとえば、こどもたちは保護される対象というよりも、国連児童の権利に関する条約を基盤として、こどもたち自らが考え、エンパワーメントされる主体であることが提起されています。
そうした方向性の中で、齋藤先生は、こどもたちがデジタル化の中で受けた被害・損害・心的外傷を、自らの力でリスクに対応して克服していく「レジリエンス」の醸成が必要であると提案したとのことで、その記述が勧告には含まれています。
そして、齋藤先生はLINE未来財団の監訳のもとで新井円先生とご一緒に翻訳して、このOECDの勧告等を含む『デジタル環境のこどもたち〜インターネットのウェルビーイングに向けて〜』(明石書店・2022年3月)を刊行されています。

日本では、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(青少年インターネット法)」が2008年に議員立法で制定されて、内閣府、警察庁、総務省、経済産業省、文部科学省、厚生労働省等の各府省が連携して政策の検証を重ねるなど、こどもたちのインターネットの利用についての取組みが進められています。私は議員立法で制定されたこの法律が施行して2008年10月に設立された内閣府「青少年インターネット環境の整備等に関する検討会」の委員を2018年12月までつとめていました。この検討会では、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する基本計画やガイドラインを作成するために、「青少年のインターネット利用環境実態調査」に基づいて検討私的ました。この間、こどもたちの携帯電話やスマートフォンの普及は上昇し、低年齢化の傾向が著しい状況となりました。こどもたちが、インターネットを利用することで犯罪の被害者にも、加害者にもならないような各自の取組みと環境整備の両方が必要です。

また、私が参画している文部科学省中央教育審議会(会長・渡邊光一郎第一生命ホールディングス会長)における次期教育振興基本計画についての審議でも、全ての人の「ウェルビーイング」を実現することが基本的理念に位置付けられています。
そこで、自見政務官と齋藤先生との対話のテーマである「デジタル環境に生きるこどもたちのウェルビーイング」は、こども政策と教育政策をつなぐ重要なテーマとなると考えます。

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