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「地域とともにある学校づくり推進フォーラム2023茨城」の座談会にパネリストとして参加しました

「地域とともにある学校づくり推進フォーラム2023茨城」の座談会にパネリストとして参加しました

7月15日(土)に茨城県庁講堂で開催の「地域とともにある学校づくり推進フォーラム2023茨城」の座談会にパネリストとして参加しました。
参加者は会場とオンライン参加の皆様とで約1,000名とのことです。
司会は国立教育政策研究所統括研究官の志々田まなみさん、パネリストは前小学校長でCSマイスターの安齋宏之さん、岡山大学学術研究院教育学域教授の熊谷愼之輔さん(オンライン参加)と私です。

開会行事では、永岡桂子文部科学大臣と茨城県の森作宜民教育長が主催者として挨拶をされました。
第1部の座談会のテーマは「これからのコミュニティ・スクールに期待すること」であり、①「社会に開かれた教育課程」の実現、②不登校対応、③学校における働き方改革の3つのテーマに分けて語り合いました。そのやりとりについては、国立教育政策研究所社会教育実践研究センターの石津峰さんが、グラフィック・ファシリテーターとして、座談会の内容をホワイトボードにわかりやすく記載することになりました。

当日、私が発言した主旨は以下の通りです。
① 社会に開かれた教育課程について
2022年3月中央教育審議会答申「令和の日本型学校教育」~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと協働的な学びの実現~」で示されているように、【個別最適な学び】と【協働的な学び】の充実を実現する重要な柱の1つが、【社会に開かれた教育課程の実現】です。
学校が目指そうとしている目標を地域社会で共有し、その実行・評価・改善の過程を共有する基盤としてのコミュニティ・スクールの意義が再認識されます。
『教育振興基本計画』(2023年6月閣議決定・3月中教審答申)でも、今後の教育政策に関する基本的な方針の3番目に「地域や家庭で共に学び支え合う社会」が掲げられ、持続的な地域コミュニティの基盤形成に向けて、公民館等の社会教育施設の機能強化や社会教育人材の養成と活躍機会の拡充、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進、家庭教育支援の充実による学校・家庭・地域の連携強化、生涯学習を通じた自己実現、地域や社会への貢献等により、当事者として地域社会の担い手となることが求められています。
学校と地域住民等が相互にパートナーとしてこどもたちの成長を支えていく「協働」が重要です。

② 不登校対応について
三鷹市の中学校における不登校児童生徒の推移をみると、「コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育」を創設後に、顕著に減少していることがわかります。コミュニティ・スクールの1人ひとりを大切にできる効果、「小中一貫教育」の効果の表れです。ただ、文部科学省の調査結果をみると、3年間のコロナ禍により不登校が増加傾向で、三鷹市も同様の傾向であり今年度不登校についての調査研究を開始しています。
同時にコロナ禍に突入した2020年度から、GIGAスクール構想により、オンラインやオンデマンドの学習も可能となったことから、不登校の問題を、生徒指導上の課題、心理学的な要因だけと捉えずに、教育振興基本計画のコンセプトの1つである【日本社会に根差したウェルビーイングの向上】、すなわち、身体的・精神的・社会的に良い状態にあること、短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を含む概念を踏まえて対応することが大事です。
教育振興基本計画の3つの【今後の教育政策に関する基本的な方針】には、【誰一人取り残さず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進】があり、こどもが抱える困難が多様化・複雑化する中で、 公平・公正、包摂性ある共生社会の実現に向けた教育を推進することとあります。「誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現する」という理念に基づき、スクールソーシャルワーカー等、不登校特例校、通学へのステップを始める場所はじめ、学校とは別の居場所づくりも必要です。

③ 学校における働き方改革について
中央教育審議会初等中等教育分科会「学校における働き方改革特別部会」(2017年~2019年)の委員の経験では、働き方改革の目的とは、教職員がこども一人ひとりの主体的な学びを支援する伴走者としての役割を果たすために、児童生徒と教職員とが相互に関わっている「学校を楽しい」と感じている時間を増やすことが大切として検討してきました。
勤務の時間数の削減とともに、質的な改善・ゆとりづくりが大切で、働き方改革の中核は「こどもまんなか」「児童・生徒本位」の教育の実現です。
同時に,学校内外との関係で「連携と分担」による学校マネジメントを実現することも不可欠です。
こうして、学校における働き方改革の主体は教職員のみではなく、保護者や地域住民の皆さんを含むと考え、学校運営協議会等の運営についても適切な簡素化を図ることで、負担感を軽減し、保護者や地域住民を含む委員の自己達成感・充実感を高める必要があります。
働き方改革は、チーム学校、チームコミュニティによって進めることが有用です。

以上の3つのテーマについては、他のパネリストの皆さんとほとんどの想いを共有し合いながら語り合いました。
まとめとしての「これからのコミュニティ・スクールに期待すること」について発言しました。
① 真の多世代化・多様化へ:CS には卒業生を含む若者世代の参加が重要、民間企業でもCSR の視点等から「社会教育士」の称号を取得し、実際の地域貢献に生かしている例もあり、地域の多世代と参加する機関・団体等の多様化が重要。
② CSに関わる大人の学びによる自己実現:たとえば、マイスターとして活躍している第二部司会の四栁千夏子さんは、三鷹市のコミュニティ・スクールに関わった保護者の卒業生であり、大人も学び続ける存在であることの証左、学び続ける生涯学習の当事者で、こどもと共に大人も学ぶ喜びが大切。
③ コミュニティ・スクールの取組みには教育委員会だけでなく、首長部局との強力な連携が不可欠:市長として取り組んだ実感から強調したいこと。
第二部では、3つのテーマの取組みについて具体的事例が共有されました。

尚、私が1983年4月に水戸市で開学の常磐大学で創立メンバーとして教員を務めた際の教え子が、校長や市の教育部長として会場に来てくれていたことは、教師としての大いなる感激であり誇りを感じました。

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