【マティス展】を鑑賞しました
上野公園の中にある東京都美術館で開催の『マティス展』を訪ねました。
アンリ・マティス(1969-1954)は、20世紀を代表するフランスの画家で、日本では約20年ぶりの大規模展の開催という事で、以前に鑑賞したときの感動を思い出しながら、新たな感動を得ることになりました。
モダン・アートの誕生に役割を果たしたとされるマティスですが、会場には、絵画に加えて、彫刻、ドローイング、版画に切り絵まで展示されていて、その独特の絵画の制作に、彫刻の制作も大いなる影響をもたらしていることが伺えます。
会場の説明では、マティスが挑戦したのは、伝統的な絵画から脱する模索であったと紹介されています。
特に、20世紀初頭の1905年の『サロン・ドートンヌ展』では、「フォーヴィスム(野獣派)」のリーダーと呼ばれるようになったそうです。
幸いにも、写真の撮影が可能な展示が用意されていて、落ち着いた色合いの「ニースの室内・シェスタ」の前と、赤の色がきっぱりとしている「石膏のある静物」の絵の前で、記念に写真を撮らせていただきましたが、存在感のある美術作品を前に、私は大いに緊張した表情になりました。
展示会場の最後に紹介されていたのは、マティスが晩年に取組んだ南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂の建設でした。
それは、カトリックの聖ドミニコ会の女性の修道女たちの修道院の礼拝堂でした。
実は、私は、小学校と中学校は、世田谷区岡本町にある聖ドミニコ会女子修道院が運営する「聖ドミニコ学園」で学びました。
私が小学校に入学した時、学園は創立したばかりで、私はまだ6年生がいない5回生でした。
私は、マティスが人生の最晩年に、修道女となったモニク・プルジョワの呼びかけに応じて、ヴァンス・ドミニコ会ロザリオ礼拝堂の制作に取組んでいたことを、今回の展示で初めて知りました。
本当に、急に思い立って出向いた「マティス展」で、マティスの取り組んだ、差し込む太陽の光とマティスが選んだ美しい色彩のステンドグラスや壁などが調和する、美しい礼拝堂の映像の展示を見て、私が急にこの展覧会をみようと思ったのも、こうした「ご縁」があったからなのかもしれないとしみじみとした想いがしました。
同時に、懐かしく小学校中学校時代の学びと先生や友達との交流の日々を思い出しました。