芸者として初めて叙勲された赤坂育子さんとの出会い
先日、武蔵野法人会の前会長である竹内政司さん、学校法人井之頭学園理事長の高橋あゆちさんと、教育やこども若者に係る諸課題について懇談する機会を持ちました。
竹内さんは、本社を三鷹市内に置く竹内運輸工業株式会社代表取締役社長・最高経営責任者で、一般社団法人東京都トラック協会の副会長をおつとめです。
高橋さんは、武蔵野市内で、藤村女子中学・高等学校、藤村水泳教室、fujimuraナーサリー、藤村新体操教室などを運営されている、東京都内の私学の中でも若い女性の理事長として、20代から理事長をおつとめです。
竹内さんは学校法人井之頭学園の理事をおつとめであるというご縁から、今回の懇談の機会が設定されました。
加えて、長引く酷暑を克服しようと、加賀料理の料亭「浅田」を会場に設定しました。
懇談を始めようとすると、突然のことでしたが、お近くのお座敷に来られた赤坂芸者・芸妓の「育子さん」が立ち寄ってくださいました。
「女性のお客様がお二人来られているということで、不躾ですが日本髪を結っているので、ぜひご挨拶したいと参りました」と気さくにお声をかけてくださいました。
私は、赤坂の芸者さんには初めてお目にかかりました。
「育子さん」は、2016年に芸者として初めて【旭日双光章(芸術文化功労)】を受賞された方です。
赤坂で芸者としてデビューして約60年とのことです。
同じく芸者の真由さんと、三味線のさとみさんもご一緒に来てくださいました。
「芸事は毎日お稽古を続けないといけません。そして、お座敷のお話はいっさい口外することはありません。」ときっぱりと話されます。
私は、「三鷹市長経験者としても、大学研究者・教育者、現在関わっている国の行政の仕事についても、毎日が学びの継続であり、守秘義務は不可欠です。」と話すと、「育子さん」は、「あら、仕事に臨む心は、本当にご一緒ですね。」と答えてくれました。
私が「芸者さんのお仕事を通して、長年にわたり芸を磨き、芸を披露し、お客様に心豊かなお時間を過ごしていただくために【おもてなし】を大事にされてこられたのですね。」と申しますと、「その通りです。そうしたお仕事に対して叙勲までしていただいて、私はとても幸せですので、これからも、令和になって赤坂でも17,8人までに少なくなってしまった後進を育てたいので、年齢を忘れて芸に精進して頑張ります」と言って、お座敷へと席を立たれました。
本当に、思いがけない赤坂芸者さんとの出会いに、お願いをして記念写真を撮らせていただきました。
お店の方に伺いましたら、現在、東京には赤坂の他に、新橋、芳町、神楽坂、浅草、向島に花街があり、「東京六花街」と呼ばれているそうです。
それぞれに、芸者の置屋があり、料亭があり、「花柳界の文化」が受け継がれているとのことです。
私には、これまでほとんど縁がなかった世界でしたが、本当に思いがけない、突然の「赤坂の育子さん」との出会いを通じて、まさに、【旭日双光章(芸術文化功労)】がふさわしい文化の香りと息吹を感じました。
その後の懇談では、竹内さんは幼稚園から大学まで私立学校で学ばれたこと、高橋さんは私立学校を経営されている当事者であること、私も小中学校及び大学は私立学校で学び、大学教員としても一貫して私立大学で働いた来たことから、学校教育における私立学校の役割や諸課題について、改めて語り合いました。
加えて、それぞれが、企業経営者、私立学校学校経営者、自治体経営者の経験を踏まえて、望ましい経営者像についても意見交換をしました。
この3名での懇談は初体験でしたが、充実した対話のひと時を過ごしました。