こども政策担当の加藤鮎子内閣府特命担当大臣、工藤彰三内閣府副大臣、古賀友一郎内閣府大臣政務官と対話しました
9月13日に新たな内閣が発足し、9月15日には新たな副大臣及び大臣政務官が就任されました。
こども政策を担当する政務三役(大臣・副大臣・大臣政務官)も交代されました。
この秋には、法定の「国と地方の協議の場」及び「こども政策に関する国と地方の協議の場」さが開催される予定です。
私はこども家庭庁参与として、主として「国と自治体の連携」を担当していることから、今週は、政務三役のご日程をいただいて、こども政策に関する国と地方の連携に関する対話をしました。
初入閣の加藤鮎子大臣は、現在二人のお子さんを育てていらっしゃる子育て真っ只中の世代です。
内閣府特命担当大臣(こども政策、少子化対策、若者活躍、男女共同参画)であるだけでなく、女性活躍担当大臣、共生社会担当大臣、孤独・孤立対策担当大臣でもあります。
大変に幅広い分野を担当されることは明らかで、大変ですねと申しますと、「これらはこども政策をはじめとして、いずれも密接不可分の関連性があるので、総合的に捉えながら、個別の課題解決を目指します」とさわやかです。
加藤大臣が卒業されたのは私と同じ慶應義塾大学法学部で、同窓であることは心強いです。
また、慶應女子校のご出身で、その学校は、私が一般より遅い、大学院博士課程在学中に履修した教職課程において、教育実習をさせていただいた高校です。
ずいぶん昔のことですので、もちろん、私が実習したずいぶん後に大臣は高校に進学されたのですが、とても楽しい高校生活でいらしたのとことであり、私も教育実習の頃を思い出して懐かしい気持ちになりました。
大臣は大学卒業後就職され、その後米国のコロンビア大学国際公共政策大学院に留学された経験をお持ちです。
さて、9月には、国がこども施策を進めるときに、大事にすることや必要なことが書かれるとともにこれから国がおこなうこどものための取組が依拠することになる初めての「こども大綱」の策定に向けて、こども家庭庁こども家庭審議会からの答申(中間とりまとめ)が提出され、年末の閣議決定に向けて検討が深まる時期を迎えています。
「こども大綱」案に示されている目指すべき「こどもまんなか社会」については、「全てのこども・若者が、日本国憲法、こども基本法及びこどもの権利条約*の精神にのっとり、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、ひとしくその権利の擁護が図られ、身体的・精神的・社会的(バイオサイコソーシャル)に将来にわたって幸せな状態(ウェルビーイング)で生活を送ることができる社会」であると書かれていることを確認しました。
そして、私が、「一般に子育て世代については【母親】のケアが重視される傾向がありますが、産む性ではない【父親】は親になるための努力が求められているのであり、そのケアも大切と思います」と申しますと、大臣は、「私の場合は、大臣に就任して、相対的には子育てに係る夫の父親としての負担が増すことになると思うので配慮が必要ですね」とおっしゃいました。
「その通りですね。大臣になられると時間的にはお子さんとの時間が少なくなると思います。私も三鷹市長時代は、子育てに割く時間が大幅に減りました。でも、お子さんたちはきっと理解をしてくれると思いますので、大臣としてのお働きをよろしくお願いします」とお願いしました。
大臣は「はい、もちろん」と颯爽とされています。
工藤彰三副大臣との対話では、かねて名古屋市議会議員をされていたことから、こども政策についての基礎自治体の果たす役割について深い理解をお持ちでした。
私は市長経験者として、基礎自治体の二元代表制の重要性、首長と議会の緊張と協調の必要性を痛感して仕事をしていましたので、工藤副大臣が市議会議員としてのご経験を国と地方の連携の意義とその際に留意すべき点等について、考慮してくださっていることを心強く感じました。
また、市議会議員当時に、市民が困難な課題としていた駐輪場問題解決に向けて、東京都の特別区や多摩地域の取組みについても視察されたこと、それを国会議員となられてからの法整備に活かされたご経験も伺いました。
対話を通して、市議会議員在任中だけでなく、衆議院議員に就任後も、自治体での市民の皆様、各種団体の皆様との対話のご経験を踏まえて、現実の日常生活や、その中での生活実感を大切にするという姿勢で、まことに実践的なご経験を多く持たれていることを感じました。
「私の所管は多いのですが、基礎自治体ではすべての領域を見渡して仕事をしていたわけですし、【こどもまんなか】で考えていけば、みんなつながっていきますよ」とおっしゃいました。
古賀友一郎大臣政務官との対話は、お若い頃に自治省の官僚として取り組まれていた電子選挙研究会の際に、私は当時委員を務めていたことから、ひょっとしてお目にかかっていたのではないかと記憶を呼び覚ましました。
古賀大臣政務官は、お目にかかってすぐに、「自治省・総務省で働いていましたので、こども政策についても、現場は基礎自治体・市区町村であることは十分に承知しています。しっかり、自治体との協議と対話に努めましょう」とおっしゃいました。工藤副大臣もそうでしたが、基礎自治体でのご経験やその重要性を認識していらっしゃることは本当に心強いです。
大臣政務官にご就任の直前は参議院の内閣委員長をされていました。
私は、2022年の6月7日に参議院内閣委員会で、こども家庭庁設置法案等とこども基本法案の審議に際して、参考人として招致され意見陳述をしましたので、参議院の内閣員会とはご縁のある者の1人です。
古賀大臣政務官は、今度は内閣府を担当される大臣政務官として、内閣委員会で議員の皆様のご質問に答弁されることもあるということになります。
議員内閣制では、国会議員の方が原則として大臣、副大臣、大臣政務官をおつとめですので、国会や各委員会での審議のご経験はたくさんお持ちですが、質問されるお立場と、質問に答弁するお立場では大きく異なると思います。
古賀大臣政務官は「立場は変わりますが、謙虚に頑張りますよ」と笑顔です。
こうして9月のこの週は、こども政策を担当されている加藤鮎子大臣、工藤彰三副大臣、古賀友一郎大臣政務官との短いですが大変に有意義な対話の時間をいただき、皆様が「こどもまんなか」の理念を抱いてお仕事をされていることを心強く思いました。
そして、こども政策については、他の政策と同様に、ある時はそれ以上に、国と自治体の連携を強固に進めて行く必要があるとの想いを共有できました。
私はこども家庭庁の参与として、引き続き、こども政策に関する国と自治体の連携強化に向けてさらに努力をしていきたいとの決意を新たにしました。