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全国市町村国際文化研修所トップセミナーで「こどもまんなかまちづくり」について講義を行いました

全国市町村国際文化研修所トップセミナーで「こどもまんなかまちづくり」について講義を行いました

10月3日午前、全国市町村国際文化研修所(滋賀県大津市)の令和5年度トップセミナーで「こどもまんなかまちづくり~こども家庭庁の設立とこども基本法の施行~」と題する講義を行いました。
受講された方は北は群馬県から南は沖縄県からの約80名で、女性は約3割、大多数の方が市町村議員の方ですが、町長、副市長、部課長の方もいらっしゃいました。
10月2日からの2日間の宿泊研修で、初日の講義は「城跡を活かしたまちづくり」と「ヨーロッパの取組から学ぶ豊かなまちづくり」、2日目は「食(ローカルフード)による地域づくり」に続いて、私の講義でした。
私は、次のような構成でお話をしました。
1.少子化をめぐる現状
2.こども家庭庁設立に向けた検討経過とこども基本法
3.こども家庭庁の基本姿勢と組織
4.こども大綱とこども家庭庁の当面の主な課題
5.こどものしあわせ「ウェルビーイング」とこども・若者の意見表明機会の保障】
6.子育てしやすい環境づくりとこども応援サポーター
7.こどもまんなかまちづくりと「民学産公官の協働」
参考:こども未来戦略

講義の会場は大変に広く、幅も奥行きもあります。
講師の私は大きなスクリーンの横の演題で話しますので、受講者との距離感は否めません。
そこで、私は、講義の途中で壇上を降りて、前の席から、後ろの席まで歩きながら、数人の受講者の皆様にマイクを向けて、「こども基本法」の第3条の「基本理念」を朗読していただきました。
その項目は以下の通りです。
「こども基本法」の理念:
①全てのこどもについて、個人として尊重されること・基本的人権が保障されること・差別的取扱いを受けることがないようにすること
②全てのこどもについて、適切に養育されること・生活を保障されること・愛され保護されること等の福祉に係る権利が等しく保障されるとともに、教育基本法の精神にのっとり教育を受ける機会が等しく与えられること
③全てのこどもについて、年齢及び発達の程度に応じ、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会・多様な社会的活動に参画する機会が確保されること
④全てのこどもについて、年齢及び発達の程度に応じ、意見の尊重、最善の利益が優先して考慮されること
⑤こどもの養育は家庭を基本として行われ、父母その他の保護者が第一義的責任を有するとの認識の下、十分な養育の支援・家庭での養育が困難なこどもの養育環境の確保
⑥家庭や子育てに夢を持ち、子育てに伴う喜びを実感できる社会環境の整備
そして、朗読を通して受講生に気づきを話していただきました。
すると、ある方は、②に全てのこどもについて、「愛され保護されること」が明記されている箇所に気付いてくださり、この法律には「愛」があることに感動されました。
また、ある方は、③④に記載されている、全てのこどもについて、「意見を表明する機会・多様な社会的活動に参画する機会」を保障し、確保し、「意見の尊重、最善の利益が優先して考慮されること」の実現に向けた難しさも共有できました。
さらに、⑥には「家庭や子育てに夢を持ち、子育てに伴う喜びを実感できる」というように、「夢」や「喜び」という言葉も明記されていることにも気づいていただきました。
私は、おとなになると「音読」をする機会は小学生の児童に比べて大幅に減りますが、ぜひ、法律や条例等について「音読」をすることで、深い理解や新しい発見をしてくださいと呼びかけました。

70分ほど講義をして、20分間は質疑応答にあてました。
議員さんが多かったので、的確で地域社会の実態に基づいた質問が多く、市長経験者としては議会の一般質問の再質問や委員会での事前通告がない質問にお答えする気持ちで誠心誠意、回答しました。
その後、事務局から受講者の皆様の感想について連絡がありました。
●子どもの幸せを考えると、大人の幸福感が大切である。今後、市政への提言が出来るよう学んでいきます。
●所属自治体でも、こどもまんなか社会に着手し始めたところなので、タイムリーでした。
●特に清原様は前市長でいらっしゃるので、地方自治体の視点に富んでいて、とても参考になりました。
●愛や夢を我が市でも条例に入れていきたいと思いました。
ご感想をお寄せいただきどうもありがとうございます。
少しでも自治体の「こどもまんなかまちづくり」のお役に立てることを願っています。

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