第61回三鷹市農業祭前日、「宝船」制作中の三鷹地区青壮年部の皆様を激励に訪問しました
11月11日(土)12日(日)の「第61回三鷹市農業祭」開催を前に、10日(金)の夜に三鷹市産の野菜、果物、植木による「宝船」の制作をしている、JA東京むさし三鷹地区青壮年部(農業後継者組織)の皆様を応援に行きました。
準備中の午後は雨が降っていましたが、私が到着した午後8時頃には上がっていました。
私が市長在任中には、農業祭の2日目には宝船をつくった野菜を「宝分け」として希望者に配布することになっていたため、たしか宝船の上には特設の屋根を用意していたと想い出していましたが、この日は屋根はありませんでした。何らかの事情があるとは思いますが、衛生面からも宝船にかかる雨やほこりを少しでも防ぐための屋根があった方がよいのではないかと思いました。
今年青壮年部の部長に就任した三鷹市北野の野菜農家の伊藤紀幸さんは、順調に作業を進めている青壮年部の仲間の皆さんを誇らしく思いながら、テキパキと作業をリードされていました。
伊藤さんは次男であり、長男であるお兄さんが就農していたので、ご自分が農家を継ぐことになるとはまったく思っていなかったそうです。
もちろん、お父さんやお兄さんを支えていきたいとは思っていて、学生時代もあまり外でのバイトはせず、実家の農作業の手伝いをしていたそうです。その後、大学を卒業した頃にお父さんが体調を崩すだけでなく、突然にお兄さんが29歳の若さで亡くなったのです。伊藤さんはその時24歳でした。
お兄さんの急逝で決断をして、農業を継ぐ覚悟を決めたそうです。私は、三鷹市長時代に、伊藤さんがJA東京むさし三鷹地区青壮年部で活動するとともに、地元の消防団第二分団分団員としても活躍してくださっている頼もしい若手の市民であることから、伊藤さんと中学時代の同級生で小学校教諭であった奥様との結婚披露宴に参列したご縁があります。
お父さんは野菜作りの名人のおひとりですし、農業に理解あるパートナーを得て、年間数十種類の野菜を間断なく栽培され、市内スーパーや農協の緑化センター、庭先販売で、新鮮なうちに提供されています。
コロナ禍で中止していた農業祭を4年ぶりに復活した昨年、青壮年部長であった小林孝正さんは、今日は先輩として協力していました。
「去年、4年ぶりに復活した時の緊張感と比べて今年は部員の皆様もゆとりが感じられて、作業はとても順調に見えますね」と申しますと、「今年は去年と立場も違って、全体を去年より俯瞰してみられるような気がします。実は宝船そのものができても作業はこれからまだ残っているんですよ。みんなの活躍はこれから続くんですよ。」と語ります。
まさに、その通りで、午後9時を過ぎる頃、部員の皆さんが手分けして育てた白菜、ブロッコリー、カリフラワーはじめとする野菜をさらに宝船の周囲に飾り込む作業が始まろうとしています。
これ以上は作業のお邪魔になるので、青壮年部の皆様のたくましさに感銘を受け、11日以降の農業祭の来訪者を歓迎する宝船の姿を想像しつつ現場を離れました。