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認定NPO法人キーパーソンの『わくわくエンジン®』の実践に参画しました

認定NPO法人キーパーソンの『わくわくエンジン®』の実践に参画しました

月刊誌『社会教育』の2024年3月号が刊行されました。
私は、その巻頭企画として掲載されている「2023年度の社会教育・生涯学習の総括と2024年度の展望」について語り合う座談会に参加しました。
座談会のメンバーは、認定NPO法人キーパーソン21代表理事の朝山あつこさん、文部科学省総合教育政策局地域学習推進課長の高木秀人さん、国立教育政策研究所社会教育実践研究センターセンター長の筒井公章さんと私で、司会は『社会教育』誌編集長の近藤真司さんがされました。
その座談会は1月に実施され、その時に巡り合ったご縁で、朝山さんが認定NPO法人キーパーソン21の活動について講演され、参加者とスタッフによるワークショップの実践をするイベントのご紹介をいただいたので、ぜひ「わくわくエンジン」の取組みについて理解したいと思い参加しました。

そのイベントは、フリースクール全国ネットワーク主催『JDEC2023日本フリースクール大会in国立オリンピック記念青少年総合センター』でした。
2日間の日程の内、私は認定NPO法人キーパーソン21が担当するプログラム「こどもの可能性を最大限に引き出すとは~誰でもある『わくわくエンジン®』がある初日に参加しました。
このプログラムで、朝山さんは、家族でのあることがきっかけで、このままだと自分の3人の子どもたちを社会で役に立つ人として育てることができない、という母親の想いから、地域の皆さんに手伝ってほしい、一緒に子どもを育ててくださいという気持ちで、23年前にNPO法人を立ち上げた経過を紹介されました。
その活動は、地域の中の子どもたちがどういうふうに自分をより良く生きていくか、自分を生かして仕事をしていけるか、自分から行動するようになれるかをテーマにして取り組んできたそうです。
その中で、一番大事にしているのは、こどもたちの「わくわくして動き出さずにいられない原動力」の尊重だったのです。
1人ひとりのこどもには原動力が必ずある、その「わくわくしたくてたまらないという原動力」を、1人ひとりから丁寧に引き出すという手法を編み出して、プログラムとして提供しているのです。
朝山さんは、「親や他者のせいにする」「自己責任をとらない」「自分で決めることができない」ことからこどもたちを救い出し、「こうすることが好きだから」「こうすることが大切だから」「何よりも自分がわくわくするから」行動するというようになることを願いつつ、ワークショップやゲームを通じて、こどもたちの行動が「他人発」ではなく「自分発」となるように、「枠を越えてわくわくする」きっかけをもたらすための取組みを行っていることを紹介しました。

朝山さんの講演のあとで、4人が1つのグループをつくって、「各自が順番に好きなものや事柄を言い、その理由を紹介し共有する」という『すきなものビンゴ』ゲームを参加者が体験しました。
私のグループに参加されていた川崎市で企業としてこの取組みを支援している株式会社シーエスデーの代表取締役社長の呉京美さんはじめ、他の参加者ともお互いに「すきなもの」の共通点が多くて、このゲームを通して、初対面とは思えないほどグッと相互の信頼感が深まったように思いました。
その他のグループには、1歳のお子さんを連れて参加された、昨年都内でフリースクールを始められた「非営利株式会社学び舎トーカ」代表取締役の岡裕介さんやフリースクールの取組みに関わりをもっている学生を含む比較的若い世代の方々が参加されていました。そこで、赤ちゃんを加えた記念写真の平均年齢は、グッと若くなり、「わくわくエンジン」を自覚した笑顔が溢れました♪

認定NPO法人キーパーソン21の企画への参加を終えると、「特定非営利活動法人文化学習協同ネットワーク」のフリースクール事業部統括責任者の佐藤真一郎さんが私に声をかけてくださいました。
そして、代表理事の佐藤洋作さんが、これから始まる「分科会:そもそもフリースクールとは」の講師をされるという事を知り、急きょ参加することにしました。
実は、佐藤洋作さんとは、1999年から2001年まで、全員公募の最終登録メンバー375名の三鷹市民が参加した、三鷹市とパートナーシップ協定を交わして、市の「第三次基本計画」の原案を市民が作成した「みたか市民プラン21会議」という組織で、「NPOと市民活動」をテーマとする同じ分科会でご一緒に活動したご縁があります。
この活動とほぼ同時に、佐藤さんは「特定非営利活動法人文化学習協同ネットワーク」を設立されたと記憶しています。
そして、その後私が三鷹市長在任中は、内閣府や厚生労働省の若者支援の取組みを佐藤さんのNPO法人と市との協働で行ってきたご縁もあります。
この日、大変にお久しぶりにお目にかかった佐藤さんの講演からは、フリースクールの実践を踏まえた、重要な内容を伺うことができました。
たとえば、こどもたちには家庭や学校とは別の「居場所」が重要であり、それは、①ほっとして和らげる空間、②人と人との関係が開かれている空間、③自分探しの学びが生きる空間、であることが大切という事です。
特に、自然体験などの多様な体験プログラムを通して、こどもの中での異年齢との交流や多世代交流などを通して「みんなでつくるこどもの時間」が実感されるとき、こどもたちには否定的な自己イメージの作り直しや自己イメージの肯定的転換が生まれることが多いということです。
これらのこども観や、こども・若者の居場所の意義は、朝山さんのお話や実践と重なりあっているように思いました。
そして、佐藤さんは、特にスタッフは、信じて待つこと、支えること、見守ること、誘導しないことなどが求められると語りました。

「こどもまんなか」で、こどもたちの「わくわくエンジン」を尊重することは、おとなを含むすべての世代にとって、主体的に生きることの基盤であると思います。
一人ひとりの「わくわくエンジン」は、金子みすゞさんの詩のように、きっと、「みんな違って、みんないい」のだと思います。

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