【埼玉県 こどもの居場所づくり トップセミナー】で講師をつとめました
【埼玉県 こどもの居場所づくり トップセミナー】(主催:認定NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえ、一般社団法人地方行財政調査会、共催:埼玉県)で講師を務めました。
このトップセミナーは、埼玉県内の市町村長・副市長村長・自治体幹部職員を対象として、JR大宮駅すぐに立地している、RaiBoc Hall(レイボックホール)小ホールで開催されました。
冒頭、大野元裕埼玉県知事が、開会の挨拶をされた後、【埼玉県のこどもの居場所づくりに向けた取組み】を紹介されました。
大野知事は、「こどもの居場所とは、こどもたちが自己肯定感や生きる力を育むことができる場所」
であり、「安心できる場所」「学びの機会」「信頼できる大人との出会い」「様々な体験」の機能を果たすものであると規定されました。
そして、埼玉県内のこどもの居場所の数は2023年3月までに628か所あることを踏まえて、2025年の3月までに「こどもが歩いて通えるように小学校区の数と同程度の800か所を目指す」と方針を示されました。
そこで、居場所づくりの具体的な現場である市町村と連携して進めるために、県として、次のような施策を紹介されました。
①こどもの居場所づくりへの支援として、「こどもの居場所フェア」の開催、「こどもの居場所づくりアドバイザー」の派遣事業
②こどもの居場所の安定した運営を支える「地域ネットワークへの支援」事業:上限300万円、県10/10
③市町村への支援として「地域におけるこどもの居場所支援団体育成事業:上限300万円、県10/10(2024年度新規)
④「新たな子ども支援活動拠点の整備促進事業:上限400万円、県1/2(2024年度新規)
こうした事業を県と市町村とで連携して、全県でのこどもの居場所の増加を促進する方向性を表明されました。
続いて、私は、【「こどもまんなかまちづくり」がひらく「多世代交流」のとびら】と題して、以下の3点についてお話ししました。
1.三鷹市長当時の子育て環境整備の取組み
2.こども・若者・子育て世代の現状からみる「体験」や「交流」の意義
3.交流機会を増やすまちづくりへの住民・基礎自治体の視点からの留意点
まず、市長としてのこども子育て施策の取組みを通して、以下のことを確認したと紹介しました。
1.こども子育て施策には【こども・若者・子育て当事者の視点】が不可欠
2.こどもの育ち・子育ての現場としての家庭・学校・地域社会それぞれのもつ重要性
3.【地域社会】の各機関の【連携・協働】が有意義
4.こども同士・子育て世代同士の【交流】が有意義
5.多世代、多様な主体による【交流】が有意義
次に、少子化の進行、核家族化の定着、きょうだい数の減少傾向を確認したうえで、「居場所の多いこどもは、自己肯定感や挑戦する意欲が高い傾向にある」という調査結果を紹介しました。
したがって、こども・若者の現状を踏まえた【体験】【交流】としての「こどもの居場所」の拡充の必要性と意義を紹介しました。
その上で、【「こどもまんなかまちづくり」がひらく多世代交流のとびら】を実現するために、1.こども・若者・子育て世代の視点からの自治体こども計画の策定、2.「今まで支援が届いていないこども」に届く施策の推進、3.子育て世代の視点で有効な施策の推進、4.多様な担い手による交流活動の活性化への支援、について提起しました。
最後に、全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長の湯浅誠さんが、【地域づくりとしてのこどもの居場所づくり】について、全国のこども食堂の事例を多く紹介しながら説明しました。
たとえば、こども食堂の開設状況の人口比では、第1位が沖縄県、次いで、徳島県、鳥取県、山口県、滋賀県と続き、必ずしも都市部ではなく、むしろ少子化が深刻な県で、こども食堂が多いことを紹介しました。
そして、「こどもの居場所の取組みは、こどもの自己肯定感や社会性の高まりに有意に影響があること」を紹介され、こどもの参加が少数のこども食堂には、高齢者が、少なくてもこどもがいるからこそ、集まってくる事例を紹介しました。
大野知事は会の最後まで参加されて、会場の参加者と交流されていました。
私も幸い、ご公務がお忙しい中にあって、熱心に傾聴してくださった多くの市町村長さんの中で、行田市の行田邦子市長、草加市の山川百合子市長、和光市の柴﨑光子市長が残って挨拶に来てくださり、【こどもまんなかまちづくり】について、奇しくも女性の市長の皆様と意見交換をさせていただくことができました。
また、草加市長、和光市長とは記念の写真を撮ることができました。
この日、私はこれまでいくつかの県で開催されている【こどもの居場所づくりトップセミナー】に初めての参加となりましたが、こども食堂を含む「こどもの居場所」づくりに関する情報を幅広くお伝えすることができたと思いますし、短い時間でしたが、市長さんと対話もできて幸いでした。
私は【こどもまんなかまちづくり】や【こどもの居場所づくり】の取組みは、そのことを通して、多世代が地域社会で出会い、交流することを生み出す、多世代のまちづくりとなることをお伝えしたかったのですが、その趣旨が届いたように感じて、会場を後にしました。