指定都市市長会事務局及び中核市市長会事務局の皆様と対話しました
新年度に入り、こども家庭庁参与として、自治体連携担当の岩﨑企画官とともに、【指定都市市長会】の事務局を訪問しました。
指定都市市長会は2003年12月に設立され、現会長は久元喜造・神戸市長で、その事務局は、千代田区日比谷公園「市政会館」の中にあります。
この日は、今年の4月に事務局長に就任された習田さん、調査・企画担当の次長として2年目の稲山さんと対話しました。
【指定都市市長会】のHPには、【指定都市】について次のように紹介しています。
すなわち、【指定都市とは、地方自治法で「政令で指定する人口50万以上の市」と規定されている都市のことであり、「政令指定都市」、「政令市」、「指定市」などといわれることもありますが、ここでは地方自治法にしたがって、「指定都市」という名称を使っています】とのことです。
そして、全国の市の中で、指定都市は道府県と同等の行財政能力などを有していることが求められていることから、現在、概ね人口70万人以上の20の都市が政令による指定を受けており、居住人口は全人口の約2割を占めているとのことです。
20の市は、札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、川崎市、横浜市、相模原市、新潟市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市、熊本市です。
【指定都市】については、大都市行政の合理的、能率的な執行と市民の福祉向上を図るため、地方自治法及びその他の法令において、(1) 事務配分、(2) 関与、(3) 行政組織、(4) 財政の各面において他の一般市とは異なる特例が定められています。
【地方自治法第252条の19】に規定されている事務は、児童福祉に関する事務、民生委員に関する事務、身体障害者の福祉に関する事務、生活保護に関する事務など19項目があります。
関与の特例として、地方自治法及び個別法の規定により、一般の市には必要となる知事の承認、許可、認可等の関与について、それを受けないこととするもの、又は知事の関与に代えて直接各大臣の関与を要するものがあります。
また、行政組織上の特例として、指定都市は市長の権限に属する事務を分掌させるために、条例でその区域を分けて【区】を設置すること及び【区選挙管理委員会】を設置することが義務付けられています。
さらに、財政上の特例として、「国・道府県道の管理を行っていることに伴う地方譲与税及び道府県税交付金の増額譲与・交付」「「地方交付税基準財政需要額の加算」などがあります。
指定都市市長会には【こども部会】が設置されており、部会長は郡和子仙台市長で、こども家庭庁との対話の機会をもっていただいています。
また、別の日に、私は岩﨑企画官と共に、【中核都市市長会東京事務所】を訪ねて、児玉所長、大野副所長と対話しました。
【中核市市長会】は、中核市で組織する「中核市連絡会」が中核市制度発足から10年目となる2005年「中核市市長会」として新たに発足しています。
現在、62の市が中核市で、会長は福島市の木幡浩市長です。
【中核市制度】とは、「政令指定都市以外で人口20万人以上の要件を満たす規模や能力などが比較的大きな都市の事務権限を強化し、できる限り住民の身近なところで行政を行なうことができるようにした都市制度です。
1995年6月、「地方自治法の一部を改正する法律案等」が成立し、1996年4月1日に地方自治法の一部を改正する法律等が施行され、【中核市制度】が発足しました。
その後、人口別の面積要件等が廃止され、2015年4月に、地方自治法の一部を改正する法律が施行され、中核市指定要件を「人口20万人以上の市」に変更されました。
【中核市市長会】のHPには、中核市が処理する主な事務として、①保健衛生に関する事務(保健所の設置・飲食店営業等の許可など)、②福祉に関する事務(保育所の設置の認可、監督・養護老人ホームの設置の認可、監督、介護サービス事業者の指定など)③教育に関する事務(県費負担教職員の研修)④環境に関する事務(一般廃棄物処理施設・産業廃棄物処理施設の設置の許可など)⑤まちづくりに関する事務(屋外広告物の条例による設置制限・サービス付き高齢者向け住宅事業の登録)などが示されています。
2023年の11月には、指定都市市長会の久元喜造・神戸市長、中原八一・新潟市長、中核市市長会の木幡浩・福島市長、中野正康・一宮市長がご一緒にこども家庭庁を訪問され、こども家庭庁担当の工藤彰三内閣府副大臣と対面し、こども政策に関する要請行動をされ、私も同席させていただきました。
2024年度は、こども政策をめぐる基礎自治体の役割が益々重要になる年度です。
指定都市市長会、中核市市長会の構成市長の皆様は、もちろん、全国市長会の構成メンバーでもあります。
そこで、全国市長会との対話と共に、指定都市市長会及び中核市市長会との対話を重ねることによって、自治体の実情に応じた、きめ細かいこども政策の策定と実践に向けた取組みが深まると考えます。