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鷹南学園三鷹市立東台小学校2年生のあるクラスで絵本の読み聞かせをしました

鷹南学園三鷹市立東台小学校2年生のあるクラスで絵本の読み聞かせをしました

今年度も、鷹南学園三鷹市立東台小学校のスクールサポーターとして、絵本の読み聞かせを担当しています。
5月のある日には、2年生のあるクラスで、文:フランセスカ・サイモン、絵:ケレン・ラドロー、訳:青山南、『アベコベさん』(発行:文化出版社)を読みました。
登校直後のこどもたちは、2年生になって1か月余り過ぎたその日は、それぞれの席に落ち着いて座っています。
朝の挨拶をしてから、「今日は『アベコベさん』を読みます」というと、前の席のこどもは、「アベコベって『逆』って意味だよね」「アベコベって『さかさま』って意味かな?」という何人かの声が上がりました。
確かに、この頃は「アベコベ」という言葉はあまり使わなくなったかもしれません。
「その通りですよ」と言って絵本を読み始めました。

絵本を開いて、
「アベコベさんの家ではいつも 起きるのは真夜中です。
起きたらパジャマに着替えて、2階の寝室で朝ごはん。」と読み始めると、こどもたちからは、いきなり「エエーッ」と声が上がります。
アベコベさん一家は、
・逆立ちしてテレビを見る
・起きるのは夜
・食事を食べる場所は寝室
・フォークで食べたら怒られて、父母からは手足で食べることを勧められる
といったぐあいですから、本当に、何もかも「アベコベ」です。
そんなアベコベさん一家に、お隣のプラムさんが訪ねてきて、お留守番と女の子のお世話を頼まれました。
人の役には立ちたいと、お留守番を引き受けた状況が、まさにアベコベなのです!
整然としているプラムさんの家の中を、「きちんとしなくては」とアベコベさん一家は散らかしてしまいます。
食事をしようと寝室に行くと、何も食べるものがないのでショックを受けるといった具合です。
そこへ、どろぼうが窓から入ってくると、「丁寧に入ってきたお客様」と受け止めてアベコベさん一家は接待するのですが、その内容はお菓子などを投げつけることです。
生クリームなどを投げつけられて驚いて逃げる泥棒を見たプラムさんが慌てて帰宅しました。
そして、「よくどろぼうを追い返してくれた」とお礼を言いました。
そして、部屋をみると、アベコベさん一家のせいで大変に散らかっていましたが、プラムさんはそれはどろぼうによるもの思ってくれました。
最後に、こどもたちが「自分たちが部屋を片付けたお礼をアベコベさんが言ってくれなかった」というと、アベコベ一家のお父さんが「世の中には いろんな人がいるんだ」と応えて、絵本は終わります。

最後の頁を読み終えると、こどもたちからは、「アベコベさん一家が散らかしたのをプラムさんが気づかずにいただけなのに」とか、「アベコベさん一家こそが、本当に変わっていて、世の中にいるいろんな人のうちの一人だと思う」という声が聞こえます。
この日、私が絵本の頁をめくって読むたびに、こどもたちから「エエッー」「なんでそうなるの?」「どうしてそうするの?」「そうか、そうか、だからアベコベさんなのか?」と、こどもたちは思わず口々に声を出しています。
絵本の世界に、自然に入り込んで、想定以上のまさかの展開にあっけにとられています。
あっという間の10分間の読み聞かせの時間を終えて、「ありがとうございます!」と挨拶をしあいました。

担任の先生が、「今日はみんなの笑い声が溢れて、楽しい絵本でしたね!」と言ってくださいました。
そこで私が、「また来ますね」と言うと、こどもたちからは「また来てね!」「また面白い絵本をよろしくね」と声がかかりました。
実は、今回の小学校2年生対象に読み聞かせをする為の絵本を探していた先週、同居している小学校5年生の孫娘が、「私が2年生の頃、何度も何度も読み返した本を紹介するね」と『アベコベさん』を自室から持ってきてくれたのです。
久しぶりにこの絵本を読み返した私は、ぜひこの本を読みたいと選書を決めました。
この日の読み聞かせの反響を通して、現役小学生のブレーンがいることが私の強みだと改めて痛感しました。
今回も、こどもの意見を尊重してよかったです。

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