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総務省第205回統計委員会で統計リソースに関する建議が提出されました

総務省第205回統計委員会で統計リソースに関する建議が提出されました

第205回統計委員会に委員として参加しました。
この日、松本剛明総務大臣宛の『令和7年度における統計リソースの重点的な配分に関する建議』が可決され、椿広計委員長から長谷川淳二総務大臣政務官に手交されました。
この建議は、令和7年度における統計リソース(予算・人員)の重点的な配分に関する考え方を提案するものです。

この建議では、令和7年度に「統計リソースを重点的に配分すべき分野」として、『公的統計の整備に関する基本的な計画』(2023年3月28日閣議決定)に基づき、以下を重点的に取り組む必要があるとしています。
〇社会経済の変化に的確に対応する公的統計の整備
社会経済状況と変化を的確に把握できる統計の整備推進のため、経済のデジタル化の把握等など、基礎統計の整備、国民経済計算及び経済統計の改善等の公的統計の整備
〇統計の国際比較可能性の向上
公的統計の国際比較可能性を高める取組、SDGグローバル指標の整備や国際的な分類の普及、Well-being指標の統計調査における取扱いに係る研究の推進。
日本は国際連合統計委員会の委員国に選出された(任期2028年まで)ことから、委員国としての国際的議論への参画、貢献を支えることのできる統計職員の育成。
〇統計データの利活用促進
統計データ等が統計ユーザーにとってより利活用しやすいものとなるよう、デジタル技術を用いたe-Statの機能充実や機械判読可能な統計データの提供、調査票情報の二次的利用の推進・提供早期化、調査票データ等の整備。政策の立案・評価・改善のために統計データを利活用できるEBPM推進の中核人材の育成。
〇品質の高い統計作成のための基盤整備
業務改革、働き方改革を職員等のニーズの把握。品質の高い統計を確実に作成するために必要な基盤整備。公的統計の信頼性回復に向け、PDCAサイクルを定着させ、重大事象の発生を未然防止する統計作成のマネジメントとプロセスの不断の改善に資する統計作成プロセス診断の実施、統計作成プロセスの標準化に資する業務マニュアルの整備、信頼性確保に資するシステムの整備、国・地方の統計職員の確保・育成、統計調査員の確保や処遇改善などの支援、統計調査の環境改善のための普及啓発、統計調査員の手当額の改善。
〇デジタル技術や多様な情報源の活用等による正確かつ効率的な統計作成
統計調査や統計作成方法の効率化、報告者負担の軽減、より正確な統計の作成を図るため、オンライン調査に係る電子調査票の改修などオンライン回答率の向上を目指したシステム改善、デジタル技術を活用した業務改善。ビッグデータや行政記録情報など多様な情報源を活用するための調査研究を総務省を中心に各府省が連携して取り組む。

この日、建議案の審議に際して、私は前回の統計委員会で私が提案した、「経済のデジタル化」、「Well-being指標」、また、「ビッグデータ等に関する各府省庁連携の促進」などについて明記をしていただいて感謝し、原案に賛同すると発言しました。
また、この日、改めて記載された、日本が引き続き「国際連合統計委員会」の委員国に選出されたことは、統計について、国内の視点からの取組だけではなくて、グローバルに責任を果たしていくということであり、とても重要だとの認識から、委員国の役割について質問しました。
これについては、北原総務省政策統括官(統計制度担当)より、このたびの選挙で再選された経過を紹介され、国連統計委員会は必ずしも委員国でなくても委員会に参加はできますが、委員国として、いろいろ国際的な人材の供給について国連の事業を後押しすることが評価されていることもあり、国連に人材を送り出してもいることから、更なる貢献を目指したいとの回答をいただきました。

私は、統計分野は、「デジタル経済」を含めてますます国際的に重要性を増し、かつ国際的な連携が必要になってくることから、日本国の人材が国際的に統計の分野でも活躍することは、大げさではなく国際平和にもつながると思うので、是非、この建議を通して、ますます国際的な統計人材の充実に向けて力を入れていただきたいとお願いしました。
すると、国連統計部で活躍された、現在は常磐大学学長の富田委員から、「日本は、アジアの地域から選出されていることもあり、委員国としてアジアの意見も代表する立場にあるので、是非アジアの国々とコミュニケーションを図って、アジア特有の課題・問題を代弁するような形での参画を期待します」と説明してくださいました。

また、建議の手交の後で、長谷川総務大臣政務官からは、要約すると次のようにご挨拶をいただきました。
●Well-being指標に関する研究、さらには経済のデジタル化の把握などの社会経済の状況に応じた統計の言わば進化の御提言や、さらには統計データの活用の推進、そして品質の向上や、あるいは統計自体のデジタル化の推進ということで、現下の直面する課題、さらには中長期的な課題にわたりまして網羅する建議を頂いたものと思います。
●特に、清原委員、そして富さから、今、統計における国際協力の話がございました。これも極めて重要な御指摘だと思います。私も政務官として国内での国際統計に関する会議にも出席していますが、日本の統計は極めて精度が高いということで、国際連合の統計委員会の委員国にも選任いただいているものだと思います。この日本の精度の高い統計を特にアジア諸国と協力することによって、よりよい政策実現を日本のみならずアジア諸国等でも協力することによって、言わば日本のソフトパワーとして、統計の国際協力を担う人材の育成についても取り組んでいきたいと思います。
●私自身が統計に関する仕事をした国家公務員経験者でもあることから、統計リソース(人員・予算)の重点的配分だけでなく、増加・向上・強化に向けて、政務官としても取り組ませていただきたいと思います。また、統計業務に携わった経験を有する国会議員としても力を尽くしてまいりたいと思います。

「建議」とは、大臣からの諮問に答申するのではなく、委員会として、積極的に提案するものです。
それに対して、前向きな反応をしていただき、大変に心強い限りです。 

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