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令和6年度全国市長会議前日の委員会でこども家庭庁の政策について報告しました

令和6年度全国市長会議前日の委員会でこども家庭庁の政策について報告しました

6月12日、全国の市長が結集して、【第94回全国市長会議(通常総会)】がホテルニューオータニで開催されました。
総会運営委員長の渡部尚・東京都東村山市長の進行のもと、会長の立谷秀清相馬市長からあいさつがあり、村井英樹内閣官房副長官、松本剛明総務大臣から来賓祝辞があったとのことです。
その後、議事に入り、立谷会長が議長となり、令和4年度決算報告、令和6年度予算承認が行われた後、各支部提出議案審議経過及び結果について第1から第4までの各分科会委員長から報告があり、いずれも了承されたとのことです。
次に、役員改選が行われ、会長に松井一實・広島市長が選任されるとともに、副会長12名及び理事、評議員、監事が選任されたとのことです。

さて、私は、【第94回全国市長会議(通常総会)】の開催に先立ち、前日に開催された、各支部提出議案について審議する4つの委員会の内、兵庫県小野市の蓬莱務市長が委員長として進行をされる第3委員会において、国会対応で伺えなかったこども家庭庁小宮官房長の代理として招かれ、「こども政策をめぐる最近の動向と展望」について報告しました。
こども家庭庁長官官房総務課の岩﨑企画官(当時:現在内閣官房)、生育局保育政策課の北條保育推進官(当時:現在厚生労働省)が同行してくれました。
報告時間は25分ですので、事務局とご相談をして内容を精査し、1.こども家庭庁の概要、2.「こども基本法」の自治体に関する条項と「こども大綱」、3.「自治体こども計画ガイドライン」、4.「こどもまんなか実行計画」、5.保育をめぐる施策の動向:(1)だれでも通園制度・(2)保育定数、6.学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案(日本版DBS)に絞って説明しました。

「誰でも通園制度」については、現行の幼児教育・保育給付とは別に、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付の創設であり、2025年度に子ども・子育て支援法に基づく地域子ども・子育て支援事業として制度化し、2026年度から子ども・子育て支援法に基づく新たな給付として全国の自治体においてこども誰でも通園制度を実施できるよう、所要の法案が国会で可決されており、2023年度から自治体での試行が開始されて、2024年度4月現在115自治体で試行・検証が行われていることを紹介しました。

また、衆議院を満場一致で通過し、当日段階で参議院で審議中の「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案(日本版DBS法案)」については、
●事業者がこども家庭庁に申請、その際に業務に就く予定の人が戸籍情報などの必要書類を提出するなど、本人も関わる
●照会した結果、対象の性犯罪歴がなければ、「犯罪事実確認書」がそのまま事業者に交付
●犯罪歴があった場合は、まず本人に事前に通知し、2週間以内であれば、訂正を請求できるほか、結果を受けて本人が内定を辞退すれば、事業者には犯罪歴が通知されることなく、申請が却下される
という手続きなどについて説明しました。

すると、講演後、秋田県鹿角市の関市長から、「日本版DBSの制度は、教育・保育施設等やこどもが活動する場等において働く際に性犯罪歴等についての証明を求める仕組みで重要な制度ですが、教員と保育士等を対象にすることから、首長部局と教育委員会の連携が必要であり、なかなか難しいことも想定される」という問題提起をいただきました。

これについては、こども家庭庁、文部科学省の連携はもとより、前科情報を所管する法務省と、厳密な個人情報保護を確保した連携が想定されていて、今後公布後2年半以内に施行されるまでに、申請手続き等に関するガイドラインの作成が予定されていることを紹介しました。
また、東京都多摩市の阿部裕行市長からは、東京都多摩地域で唯一「誰でも通園制度」を試行している市として、市民からのニーズがあることを確認していることからこの制度の意義を痛感しており、ぜひ適切に推進して行きたい。ただし、現行の月に10時間の利用時間の上限については検証を踏まえて再考してほしい」とのご意見をいただきました。
時間の制約があり、多くの市長さんからのご質問やご意見をいただくことはできませんでしたが、帰り際、廊下に出てきてくださる長野県諏訪市の金子市長はじめ複数の市長さんがいらして、こども政策に関するご関心の高さを痛感しました。

さて、【第94回全国市長会議(通常総会)】が開催され、松井広島市長が会長に就任された6月12日、国会では、『地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(第十四次地方分権一括法)が成立し、松井会長は、早速、全国知事会の村井嘉浩会長、全国町村会の吉田隆行会長と連名で、意見を表明されました。
すなわち、この法律は、こども家庭庁の施策と関連する「里帰り出産等における情報連携の仕組みの構築や幼保連携型認定こども園の保育教諭等の人材確保による住民サービスの向上等を実現する」ものであることについて、地方分権改革を着実に前進させるものであり、関係者のご尽力に感謝するとしています。
その上で、「国においては、必要な政省令の整備を速やかに行うとともに、所要の財源措置、スケジュールの提示、研修の実施・マニュアルの整備等について、地方の意見を十分に反映して、地方の負担軽減に資する具体的な検討と調整を早期に進めることを望む」としています。

こども政策の最前線は、まさに基礎自治体である全国の市区町村であり、広域自治体である都道府県との強力な連携が不可欠です。
三鷹市長在任中に全国市長会の【評議員】及び【子ども子育て施策及び社会文教委員会担当副会長】を務めた経験者として、新たに就任された全国市長会の会長である松井・広島市長を中心に、全国市長会の益々のネットワークの強化と熱心な諸活動に基づく発信をお願いしたいと思います。

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