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こどもたちの職業インターンシップを実現する【キッザニア】創業者・住谷栄之資さんと対話しました

こどもたちの職業インターンシップを実現する【キッザニア】創業者・住谷栄之資さんと対話しました

私と同居している孫の小学生の姉弟は、幼稚園児の頃からこれまでの約5年間、【キッザニア東京】に毎月のように出向いています。
【キッザニア東京】(東京都江東区豊洲)は多様な職業体験を行うことで、社会のしくみを学ぶことができる施設で、「こどもが主役の街」ということができます。他に、【キッザニア甲子園』【キッザニア福岡】があります。
「キッザニア」という名称は、「こども達」というドイツ語を短くした「キッド」、「~の国」を意味するラテン語の「アニア」、2つの言葉を「楽しい」という意味の英語「ザニイ」の「z」でつないでできた言葉です。

【キッザニア東京】の場合、体験できる仕事やサービスは、約100種類あり、本格的な設備や道具を使って、3歳から15歳のこどもが協力しながら、いろいろな仕事やサービスを体験することができます。
パートナー企業は順不同で紹介すると、出光、伊藤忠商事、東京電力、関西電力、IHI、KDDI、サクラクレパス、大日本印刷(DNP)KODANSHA、KOSE、ANA,TOTO,Takashimaya,日本製粉グループ、日本生命、三井不動産、森永乳業、LION,ロート製薬、Glico、大和証券グループ、三井住友銀行、SOMPOホールディングスなど、本当に多彩です。

先日、キッザニアの創立者の住谷栄之資(すみたにえいのすけ)さんにお会いする機会がありました。
と申しますのは、私が所属する三鷹三田会(慶應義塾大学同窓会)のメンバーである石黒良昭さんが住谷さんと同時期に慶應義塾大学商学部で学んでいたことから大変に親しくされていて、私の孫がキッザニアのヘビーユーザーであることをお伝えいただいたことから、面談の機会をいただいたものです。
住谷さんは、大学卒業後、藤田観光に就職された後に、株式会社WD Iに創業と同時に入社され、あの【ケンタッキー・フライドチキン】や【マクドナルド】の日本でのほとんど初めてのフランチャイズ店の開業を推進されました。
その後、同社の社長をされた後に2003年に退職されました。
その直後に、当時4歳と7歳のお孫さんを連れて、夏休みにでかけたのが、メキシコで展開していた【キッザニア】でした。
メキシコには当時はコロナビールくらいしかメキシコ発の企業がなかったことから、ほとんどのパートナー企業がアメリカの企業だったようですが、こどもたちが職業体験をできる施設展開に住谷さんは大いに影響を受けたそうです。
お孫さんがこれから生きる社会は変動が激しく、幼い頃から職業体験を通して、こどもにも社会とつながっている自覚を持つ機会、自らのキャリアデザインを考える機会を提供したいと思われて、キッザニアのコンセプトを日本で展開しようとKCG GROUP株式会社(キッザニア)を創立されたのです。

当初は、なかなかパートナー企業の理解を得るのは難しかったようですが、各企業を自ら訪問して趣旨を説明し、東京電力、DNPなどの参画により、順次、多数の企業がパートナーとして参画するようになったそうです。
何よりも、参加したこどもたちの声が、今のキッザニアの盛況を促してきました。
住谷さんは、キッザニアを実現するのは「こども達の権利」の保障であると考えました。
そこで、かかげたのが「生きる権利」「知る権利」「守る権利」「遊ぶ権利」「共有する権利」「創る権利」の6つの権利です。
●TO BE 生きる権利:自分の意志で行動し、自由に生きる権利
●TO KNOW 知る権利:あらゆることが学べ、体験できる権利
●TO CARE 守る権利:感謝の心を持ち、自然を守る権利
●TO PLAY 遊ぶ権利:生きていくことを積極的に楽しむ権利
●TO SHARE 共有する権利:他の人と協力して分かち合う権利
●TO CREATE 創る権利:よりよい世界のため新しいものを創る権利

【キッザニア東京】で体験できる仕事は、パソコン工場スタッフ・建設機械開発者・ケアサポートセンター、消防士、おもちゃ工場、パティスリーショップなど100種類あります。
仕事をしたら、お給料として専用通貨「キッゾ」や実際に仕事で作った物や食べ物を受け取ることができます。
「キッゾ」はキッザニア内で買い物をしたり、サービスとして受け取ること、預金するなどに使用できます。
こうして、職業体験を通じて、社会のルールやマナー、働くことの楽しさや厳しさ、お金を稼ぐことの大変さを学ぶことができます。

今回、住谷さんを訪ねたのは、(一財)プロメテウス財団グローバルビレッジ「有楽町ハウス」です。
住谷さんはキッザニアの代表取締役兼CEO在任中の2019年に同財団を設立して代表理事に就任されました。
2020年にキッザニアの代表取締役会長、2022年に同名誉会長に就任されてからは、同財団の活動に専念されているそうです。
当日は同財団のアメリカ出身のエリオット・コンティ専務理事が流ちょうな日本語で財団の取組みを紹介してくださいました。
住谷さんが、特に若者に【グルーバルな視点をもったリーダーシップ】を身に着けてほしいと願い、2023年に同財団は有楽町駅徒歩1分の利便性の高い場所に「有楽町ハウス」を設立したそうです。

主たる事業は、①グローバルリーダープログラム(リーダーシップやグローバルマインドの学習機会)、②ソーシャルプログラム(学生主導の文化事業・国際交流機会)、③カンパニー・ミートアップ(協賛企業と日本人学生・留学生の交流)、④レンタルスペース(多様な団体の会議室活用)で、慶應義塾、国際基督教大学、明治大学、立教大学、上智大学、東洋大学、早稲田大学、ハーバード大学、スタンフォード大学等との連携強化を図っているそうです。
住谷さんはキッザニアを「3歳からのインターンシップ」と表現されていましたが、3歳から15歳までのこどもたちを対象とした職業体験施設を民間企業との連携で約20年間進めてきた取組みを基礎に、大学生が「グローバル人財」として活躍する未来を切り拓く支援をされていることを大変に心強く思います。

私自身もグローバルな「こども・若者まんなか社会」づくりを目指したいとの想いがさらに熱くなりました。

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