文部科学省の藤原事務次官と対話しました
連日、全国的に35度を超す猛暑が続いています。
こどもたちは学校が夏休みに入っていますが、たとえば、小学校の夏休み中のプールの日も「熱中症警戒アラート」が発令されているので中止となっています。
そんなこどもたちの健康や安全を、真剣に考えている1人が、文部科学事務次官の藤原章夫さんです。
昨年の7月に、「初等中等教育局長」であった軽快なボタンダウンのシャツ姿の藤原さんを訪ね、対話の時を持ちました。
その日には、【令和の日本型学校教育」を推進する地方教育行政の充実に向けた調査研究協力者会議】の座長として、報告書の概要を報告しました。
長引くコロナ禍を経て、ようやくコロナ前の日常に戻りつつある中、「個別最適な学習」と「協働型学習」をそれぞれ尊重して進め、こどもたちが「ウェルビーイング(しあわせ)」を感じられるような【令和の日本型学校教育】を進めて行く地方教育行政の意義について語り合いました。
藤原さんは、その直後に事務次官に就任されました。
藤原さんは「初等中等教育局長」に就任される直前は、「総合教育政策局長」として、【中央教育審議会】の事務局、【教育振興基本計画の策定、そして、私が分科会長を務めている【生涯学習分科会】を所管され、【生涯学習】【社会教育】【コミュニティ・スクール】【地域学校協働活動】などを推進されていました。
そこで、私は分科会の報告などを含めて、たびたび対話をする機会をいただいていました。
その過程で、【社会教育】の在り方について、じっくりと検討する必要性についても対話をしていました。
今年の6月25日に開催された中央教育審議会総会で、盛山正仁大臣より【地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方と推進方策について】の諮問があったこともあり、これまでの対話の経過を踏まえて、生涯学習分科会長として検討の責任を担うことになる私は、会議ではお目にかかることがありましたが、事務次官室に藤原さんをお訪ねし、お久しぶりに対話の機会をいただきました。
藤原さんは、この夏の人事異動でも引き続き事務次官を務められています。
藤原さんは、このたびの社会教育の在り方に関する諮問は、このところの歴代の総合政策局長を中心に、その必要性を認識していた課題の1つであり、この時期に諮問があったことは有意義であり、ぜひ、社会教育をめぐる社会・地域社会の実態を踏まえつつ、「人」「人財」に注目して、多角的な検討を期待していると言われました。
藤原さんは、社会教育を必要とする社会情勢は、社会教育法が制定された昭和24(1949)年から大きく様変わりしていることを率直に受け止めています。
たしかに、少子長寿化、デジタル化、国際化、都市化の進展や災害の多発などによって、人々の暮らしは多様化しています。
地域社会に生きる私たちの課題も多様化しています。
人生100年時代を、心身ともに健康に生きていくためには、障害者や外国人等を含む包摂社会・共生社会・「こどもまんなか」社会の実現も欠かせません。
文部科学省事務次官室での藤原さんとの対話を通して、私は、学校教育と社会教育を分断して考えるのではなく、学校教育と社会教育を、児童・生徒・学生・学修者本位の視点に立って、ますます有効に連携していく未来を切り拓きたいと思いました。