かねて多摩島しょ担当部長経験者である東京都の山口福祉局長を訪問しました
【東京都福祉局】を訪ねて、山口真(やまぐちまこと)局長と対話しました。
山口局長は、私が三鷹市長在任中、東京都総務局の【多摩島しょ振興担当部長】をされていたので、東京都市長会の定例会議に総務局行政部長とともに臨席されていたことをはじめ、折々にお目にかかる機会があり、懐かしいお顔なじみです。
私はこれまで、こども家庭庁参与として、東京都の【子供政策連携室】の歴代室長、部長及び【福祉局】の歴代局長はじめ部長等担当者と対話の機会を持ってきました。
この日も、東京都福祉局【子供・子育て支援部】の西尾寿一部長と吉川千賀子企画課長が同席されました。
私は、直前の福祉局長の佐藤智秀さん(現在は総務局長)が、都内26市13町村と特別区23区と連携して地方自治の向上をはかる総務局【行政部長】の経験者であることを有意義と思っていたのと同じように、現在の福祉局長の山口さんが、総務局【多摩島しょ振興担当部長】をされていたことを大変に有意義であると認識しています。
と申しますのは、東京都の自治体といっても、地理的条件や人口構造・産業構造はじめ、住民の生活構造の特徴も多様であり、福祉行政を進めるためにはこのような地域の実情に関する理解が不可欠と考えるからです。
この日、山口さんに、改めて、「多摩島しょ振興担当部長の際に、小笠原島村や青ヶ島村を訪ねたことがありますか?」と私は質問しました。
山口さんは、「もちろんですよ! 在任中、小笠原村、青ヶ島村はじめ島しょを含むほとんどの都内自治体を訪問して、その多様性を確認していますよ」とのことで、安心しました。
私は【福祉】の行政サービスや政策は、決して頭の中だけの考えでは進められないと思っています。
すなわち、理論だけでなく、現実の地域社会に存在する多様な生活課題をしっかりと見聞きし、心を含む体全体で感じる力と、それを適切に解決するために社会資源を調整したり開発するチカラが必要だと考えるのです。
一般には「福祉マインド」と表現されることがあります。
さて、私は、かねて大学教員時代の「島しょ振興構想懇談会」の委員として、東京都の島の内、小笠原村と御蔵島以外の島は直接訪問して、島の皆様との対話を通してその実情についての生の声を聴いたときの経験から、「当時、青ヶ島村の人口は約200人で、助役は新聞公募による応募者から選任された方でした」と話しますと、山口局長からは「今はその時よりも人口は減少しており、助役は置かれていません」との情報をいただきました。
この事例など、山口局長との対話の中で、改めて都内の各自治体の実情は常にダイナミックに動いていることを再確認しました。
加えて、児童相談所の区による配置や多摩地域における新設など、こどもたちをめぐる施策がダイナミックに動いていることにも話題が広がりました。
【首都東京】はたしかに首都機能を持っていますが、住んでいる人々にとっては【生活都市東京】であり、適切な福祉サービスと施策の推進は欠かせません。
特に、【東京一極集中】が批判されることは少なくないのですが、東京都に地域福祉の課題がないわけではありません。
この日の語らいでも、【三多摩格差】として表現されることがあるように、都内にも地域の多様性と地域間格差を含む、解決すべき地域課題があることや、地域福祉を考える時には【おとな】の視点だけではなく、さらに【こどもまんなか】の視点をしっかり位置づける必要性も再確認しました。