清原慶子 Official Website

加藤 鮎子内閣府特命担当大臣（こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画、孤独・孤立対策）が主宰する【若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ（第４回）】が開催され、【ウェブアンケート調査結果（速報）】と未婚・既婚両方を含む若者の実態や意識が共有された後、これまで3回の会議の議論のまとめである【中間報告（案）】について意見交換が行われました。
加藤大臣は冒頭の挨拶で構成員の皆様に向けて、このワーキンググループは、現役の大学生・大学院生など若い世代が構成員の約半分を占める、国の会議の組織としては極めてユニークで、ほぼ国内初となる取組であり、そのような会で構成員の皆様が率直な発言をしていただいてきたことに感謝の意を表されました。

このワーキンググループの構成員（敬称略）は、大学生・大学院生と有識者で、以下の通りです。
（五十音順）
：株式会社ニッセイ基礎研究所生活研究部研究部人口動態シニアリサーチャー
稲井美結　：株式会社coco motion代表天野馨南子
大庭彩香　：株式会社Ｎ.Ｄ.Ｐromotion 広告事業部プランナー
落合歩　　：リクルートブライダル総研 所長
越智未空　：特定非営利活動法人manma 代表理事
小林真緒子：大学院生
奈木れい　：電通若者研究部 研究員
南光開斗　：大学生
原田伊織　：大学生：尼崎市ユースカウンシル事業Up to You! 第1期代表
松田茂樹　：中京大学現代社会学部教授
村宮汐莉　：大学生
山本翔人　：大学生

中間まとめ（案）は、次のように若者をめぐる【ライフデザイン】を中心に構成されています。
１．若い世代のライフデザインや出会いを考える背景
２．ワーキンググループ及び「議論のまとめ（中間報告）」の位置付け
３．若い世代のライフデザインや出会いをめぐる現状
４．若い世代の現状認識や価値観に関する主な意見等
（１）恋愛・出会いについて 　　　（２）結婚について
（３）妊娠・出産、子育てについて （４）経済的状況等について
５．今後の取組に関する主な意見等
（１）ライフデザイン支援について （２）マッチングアプリ・結婚相談所について
（３）行政が提供する出会い・結婚支援について（４）若い世代による情報発信等について
６．まとめ

さて、構成員のお1人である天野さんは、今年の7月に一般社団法人金融財政事情研究会から、『まちがいだらけの少子化対策～激減する婚姻数になぜ向き合わないか～』を出版され、各構成員とこども家庭庁関係者に寄贈され、私もすぐに拝読しました。
本の帯に【エビデンスから解き明かす日本の実像】とあるように、エビデンスとしての多くの調査データに基づいて、天野さんは少子化の実態、要因、政策等について分析しています。
１．少子化が進む本当の理由
２．古い価値観が招くアンコンシャス・バイアスの蔓延
３．統計的誤解がもたらす地方少子化加速の罠４．地方から流出する結婚適齢期前人口
５．「シルバー民主主義」がもたらすリスク
６．「子育て支援」優先国家が苦しめるのは誰なのか
７．世界から見た「異次元ぶり」への多作こそが少子化対策

【アンコンシャス・バイアス】とは、無意識の偏見や思い込みから、偏ったものの見方をすることですが、天野さんは、少子化については特にその傾向が強いことについて、次のような実態をデータに基づいて示しつつ、私たちに正しい認識を持つことを勧めています。
・日本の未婚化は実は女性より男性に起こっていること
・適齢期男女の結婚意思は今も昔もほとんど変わっていないこと
・男性の方が若い時代にもっていた結婚願望が叶わなくなっていること
・【晩婚化】とは【結婚適齢期が上昇した】という話ではなく、【かつてはなかったような（統計的外れ値）の高齢者の結婚が発生するようになり、平均値を吊り上げている】という解釈が正しいこと
・男女ともに結婚のピーク年齢は同じく27歳であること
・婚活における社会の無理解、古い価値観に、女性よりも若い男性が最も苦しんでいるのではないかということ

特に、注目されるのは、現在の中高年と若い世代の理想の夫婦像には大きなギャップがあり、【結婚したくない人が大幅に増えたから婚姻減になったという認識は誤りであり、理想の夫婦像を実現できる未来が見えないことが婚姻減の要因ではないか】と問題提起されています。
私は、現在の中高年世代は、【こども基本法】の理念に基づき、決して「上から目線」ではなく、真摯に【こども若者の生の声を聴き、その自立支援を見守る・邪魔しない】ことが大切なのではないかと受け止めました。
私には本書から、【令和時代の若者の「理想の二人」をかなえる社会を創るのは今】という強いメッセージが届きました。