親友と鑑賞した【ベルサイユのばら】の華麗さと優美さが伝える歴史の悲しみ
大学時代からの親友のお誘いで、東京宝塚劇場を訪ねて、宝塚歌劇団【雪組公演】宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編-を観劇しました。
この作品は池田理代子さん原作「ベルサイユのばら」より、脚本・演出/植田紳爾さん、演出/谷正純さんによる公演です。
私は歌舞伎座、東京芸術劇場、明治座、新橋演舞場、俳優座劇場、紀伊国屋ホール、本多劇場、劇団四季劇場などで、これまで多くの演劇を鑑賞してきましたが、宝塚歌劇を鑑賞する機会を持たずにきました。
『ベルサイユのばら』は、革命の火が燃え上がるフランスを舞台に、二組の恋人達の許されざる恋を描いた物語です。
今回は、マリー・アントワネットとの悲恋の相手であるスウェーデンの伯爵フェルゼンに焦点を当てた「フェルゼン編」ということです。
そこで、配役はスウェーデンの伯爵フェルゼンを雪組トップの彩風咲奈さん、マリー・アントワネットを夢白あやさん、男装の王妃付き近衛隊長(後に衛兵隊長)のオスカルを朝美絢さん、オスカルの乳母の孫でオスカルの幼馴染のアンドレに縣千さんというように、宝塚歌劇をほとんど知らない私でも、お名前をお聴きしたことがある、名優の皆さんが揃っています。
今回は親友のお誘いにより、名作の『ベルサイユのばら』を鑑賞することができて、その舞台の美しさ、俳優の皆さんの見事なせりふ回し、歌、踊り、大道具。小道具の繊細さ、場面転換の美しさなどに圧倒されました。
俳優の皆さんお1人おひとりの演技力のすばらしさだけでなく、「雪組:というチームとしての総合力の賜物だと感じます。
また、フェルゼンを雪組トップの彩風咲奈さんは、主役としての演技に徹し、その他の俳優さんとの息がピッタリと感じさせるだけでなく、物語が終わった後の踊りのコーナーではほとんど踊り続けていて、全体をリードするまさに「トップ」としての落ち着きと貫禄が感じられました。
お蔭様で、前から4番目の席でしたので、俳優さんはもちろんのこと、オーケストラの指揮者の姿も間近に見えるとともに、歌劇を支え、引き立たせる音楽演奏の素晴らしさも堪能できました。
『ベルサイユのばら』は、1974年に初演されたそうです。
それ以来、今年はちょうど50周年となります。
累計観客動員数は500万人を超えるという、宝塚歌劇にとっても最大のヒット作と言われています。
そして、初演50年の今年、10年振りに上演されたとのことです。
池田理代子さんの描いた、当時は【少女漫画】と呼ばれていた『ベルサイユのばら』は、宝塚歌劇の上演との相乗効果で、1970年代に一大ブームとなったことを鮮明に記憶しています。
その頃、私は大学・大学院で学んでいたので、、当時も『ベルサイユのばら』の舞台は人気が高く、チケットがなかなか取れなかったことから、舞台を見る機会を逸していたのです。
まさに、観劇するまでに50年かかったことになります。
舞台の魅力を写真でお知らせできないのが残念ですが、この上演は 10月13日(日)までとのことですので、きっと、これまで鑑賞してこられたファンの方はもちろんこと、私のように初めて鑑賞する方々にも、大きな感動を与えていくことでしょう。