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私の誕生日は【世界自殺予防デー】

私の誕生日は【世界自殺予防デー】

9月10日は【世界自殺予防デー】です。
この日は、世界保健機関(WHO)と国際自殺予防学会(IASP)が共同で設立しました。
文字通り【自殺予防】の日なのです。
日本では、9月10日から16日までの1週間が「自殺予防週間」とされています。

統計によると、コロナ禍を経て最近は、自殺者の低年齢化がみられるとのことです。
すべての人の尊い命が守られる必要があります。
私は大学の専任教員であるとき、学生の自死やご家族の自死を受け止められない学生との出会いがありました。
三鷹市長在任中にも、身近な人の自死に出会いました。
こうした時には、ご遺族も、大学や職場の友人も仲間も、言葉には表現できない喪失感と、なぜ、身近な人を死に至らしめてしまったのかという悩みに直面されていました。
私自身もそうでした。

そこで、私は市長在任中に、職場での自殺予防の取組みの1つとして、【ゲートキーパー研修】を導入しました。
そして、私自身も職員と一緒に受講しました。
厚生労働省によれば、【ゲートキーパー】とは、【悩んでいる人に気づき、声をかけてあげられる人】のことです。
ゲートキーパーは【命の門番】と位置付けられています。
そして、【ゲートキーパー】は「変化に気づく」「じっくりと耳を傾ける」「支援先につなげる」「温かく見守る」という4つの役割が期待されています。
たしかに、そのうちどれか1つができるだけでも、悩んでいる方にとっては大きな支えになるでしょう。

厚生労働省のホームページには、【ゲートキーパーには特別な研修や資格は必要ありません。誰でもゲートキーパーになることができます。周りで悩んでいる人がいたら、やさしく声をかけてあげてください。声をかけあうことで、不安や悩みを少しでも和らげることができるかもしれません。】と書かれています。
けれども、他者の何らかの変化に気付いたとしても、声をかけるには並々ならぬ勇気がいるように思います。
他者の、心の悩みに寄り添うことは、そんなに容易にできることではないのではないかとの想いがあります。
そこで、私は専門家に【ゲートキーパー研修】をお願いしたのです。
そして、厚生労働省のホームページには、マンガによる説明や、【ゲートキーパー養成研修用テキスト】及び【ゲートキーパー養成研修用動画】が掲載されていて、参考になります。

研修テキストの中の【ゲートキーパーとしての心得】は、次のような項目で構成されています。 各項目の説明は抜粋して紹介します。
●自ら相手とかかわるための心の準備をする
心の準備ができていないと、相手の話に動揺したり、拒絶するというような不適切な対応をとってしまう場合も少なくありません。
●温かみのある対応をする
相手にしっかりと向きあう、相手の話に相づちをうつ、などこちらが真剣に聴いているという姿勢が相手に伝わることが大切です。
●相手の話を聴く
最初に話を聴く場合には、相手が体験したことや考えていること、感じていることを十分に聴きましょう。正しいかどうか、良いか悪いかを判断したり、批判はしないようにしましょう。傾聴は危機にある人への最大の支援です。「話を聴いてもらうだけで安心した」とおっしゃられる方も多いです。
●ねぎらう
話をしてくれること、死にたい気持ちを打ち明けてくれたことをねぎらうとよいでしょう。また、たとえ本人の失敗から至った困難でも、これまで苦労してきたことをねぎらうことが大切です。
●心配していることを伝える
悩んでいる状況を無視せずに、相手の状況を心配していることを伝えましょう。悩んでいる人はいろいろな感情が沸き起こるため、一度にまくしたてるような話は理解できず、また受け止められない場合があります。穏やかな態度で、普段話すスピードの半分くらいのつもりで話すことが大切です。また、相手の反応を見ながら、一言一言話すことも必要です。
●一緒に考えることが支援
一人で悩みを抱えている人は、孤独感や絶望感を感じているため、支援者が話をよく聴き、一緒に悩み、考えること自体が支援になります。支援者の中には、「自分は支援など何もできない」と思う方もいらっしゃいますが、一緒に考えてくれる人がいることは、孤立を防ぎ、安心を与えます。
●準備やスキルアップも大切
日頃から自殺対策や相談窓口のリーフレットを持参したり、スキルアップの研修を受けたり、新聞等のニュースに関心を払っていることなどは、いざ対応する、という場面で役立ちます。
●自分が相談にのって困ったときのつなぎ先を知っておく
全ての問題を解決できる支援者はいません。どこに相談したらよいか、地域の相談窓口等を事前に確認しておくとよいでしょう。
●ゲートキーパー自身の健康管理、悩み相談も大切
支援者自身が安心して暮らせることも大切です。また、日頃から健康面にも注意を払いましょう。休養や日頃のストレス対処も大切です。自らが困ったときには信頼できる人に相談しましょう。

実は【世界自殺予防デー】である【9月10日】は私の誕生日であることから、お誕生日を祝福してくれる家族や友人のいる幸せを噛み締めると共に、改めて【生まれてきたことのありがたさ】【命の大切さ】を実感します。
私は、今後も、大切な人々に大切な人であることを素直に伝えていきたいと思います。

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